このコーヒーを飲み終えたら
その晩、帰宅した達也は、息子・隆志に
「ニット帽どうした?」
「うん。部屋」
「彼女なのか」
「ううん」
「そうか・・・」
「・・・お母さん本城さんのこと知ってるのか?」
「・・・うん」
(またカラ返事か)「よく思ってないのか?」
「さあ」
「どうして?」
「いろいろ」
「詳しく知りたいな」
「大丈夫だし」
(大丈夫ってどんな意味で使ってるんだ?)「そう言うな」
「知らない」
「そうか・・・」(思春期の男の子はこんなもんか)
達也は詮索を諦めた。
作品名:このコーヒーを飲み終えたら 作家名:亨利(ヘンリー)