問答無用で。
「本当に?」
女の子が立ち上がる。
「アンタがしたの??」
頷く俺。
「そうだよ。悪かった」
「─ どうやったの?」
「は?!」
「ここから 私の座ってた席までって、かなりの距離が あるよね」
自分の手の甲で、女の子が涙を拭う。
「私、直ぐに立ち上がって この席を見たんだけど…その時にはアンタ、机に突っ伏していたじゃない?」
(じゃあ さっきは何で、問答無用で俺を 犯人扱いしたんだ──)
そう口に出掛かかった瞬間、女の子はニヤリと笑った。
「ところで…私に悪さをした罪は、軽くないから」