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北へふたり旅 16話~20話

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 ゴムやプラスチック製の鋲を靴底に装着したものが、ソフトスパイク。
ソールと一体型の構造で、素材やブロックパターンなどに工夫を凝らし、
滑りを抑制しているものがスパイクレスシューズ。

 昔のゴルフシューズは、革のソールに金属の鋲がはえていた。
地面に鋲を刺し、滑りを抑制していた。
しかし金属製の鋲は、歩いただけでグリーンにダメージを与える。
足を引きずれば芝の修復に、大きな時間がかかる。
こうしたことからゴルフシューズの金属鋲が姿を消した。

 かわりに登場したのが、プラスチックの鋲を装着したソフトスパイク。
ひとつひとつが爪の形になっている。
鋲が消耗しても交換することができる。手入れ次第でながく
使うことができる。

 さらに進化したものが、スパイクレス。
靴底にスパイクは無い。
ソール自体に滑らない加工がなされている。
とうぜんソールの部分がすり減れば、グリップ力も落ちてくる。

 妻が尻餅をついたのは見えた。
しかし。遠く離れていたため、仔細はわからない。
2打地点へ戻った妻が、グリーンまでの距離を確認している。
クラブをかまえる。

 動揺はないようだ。
いつものアドレスのあと、妻がクラブを振りあげる。
グリーンまで130ヤード。
普通に当たれば届く距離だ。
しかし。トップからの切り返しが、いつもより鈍いように見えた。

(タイミングがずれているな。なにか、不具合でもあったかな?)

 そんなことを感じさせる、力の抜けたスイングだ。

 結果はすぐにあらわれた。
鈍く離陸したボールが、右方向へそれていく。
そこには深いバンカーが、口をあけてまっている。
手前に落ちたボールがそのまま、深いバンカーの中へ消えていく。

 (珍しいな・・・いい場所から、ミスショットを打つなんて)

 フェアウェイからのショットはやさしい。
よほどのことがないかぎり、ミスにはつながらない。
目線をもどした時。
妻が右手をささえながら、カートへもどってきた。

 「ねぇ・・・やっちゃったみたい」顔をしかめている。

 なんだぁ・・・?。何をいったい、やったんだぁ?・・・
 

 (17)へつづく