おおきな桜の樹の上で(Ten years after)
「この業界…?金は貯まるよ、稼いでも使う暇がないからね」
先輩の言葉は本当だった。
専門学校卒業と同時に故郷から離れ、IT系の会社に就職した。通勤と残業で一日は埋められて、それを繰り返していたら一年なんてあっという間に過ぎていった。
読みたかった本も観たかったDVDも、封も開けずに積み重なっていく。
「小学生のころなら、腐るほど時間があったのになあ!」と心の中で叫ぶ。叫ぶ相手も自分しかいない。狭いワンルームに一人きり、虚しさに少しづつ押し潰されていった。
だから、こんな夢を見たんだと思うのだ。
先輩の言葉は本当だった。
専門学校卒業と同時に故郷から離れ、IT系の会社に就職した。通勤と残業で一日は埋められて、それを繰り返していたら一年なんてあっという間に過ぎていった。
読みたかった本も観たかったDVDも、封も開けずに積み重なっていく。
「小学生のころなら、腐るほど時間があったのになあ!」と心の中で叫ぶ。叫ぶ相手も自分しかいない。狭いワンルームに一人きり、虚しさに少しづつ押し潰されていった。
だから、こんな夢を見たんだと思うのだ。
作品名:おおきな桜の樹の上で(Ten years after) 作家名:バールのようなもの