オヤジ達の白球 71話~75話
バレンタインの午後6時。
祐介の居酒屋「十六夜(いざよい)」へ、陽子があらわれた。
「雪の中をよく来たね。それにしても、札幌の雪まつりへ行くような
重装備だな」
カウンターの中から祐介が、陽子を迎える。
「ありったけの衣装を着こんできました。
だけどね。200m歩いたらあたりから、後悔した。
雪道を歩くのはあんがい重労働だ。
汗をかいたときのため、着替えをリュックサックへ
入れて来ればよかったのさ。
そんなことにも気がつかなかったんだ。
あまりの雪の量に圧倒されてね」
自分では冷静だと思っていたのに、動転してたのよね1日中、
とため息を吐く。
作品名:オヤジ達の白球 71話~75話 作家名:落合順平