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そんな訳が。

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「─ どうされます?」

 <冥忌士>の視線が、私に戻る。

「貴公の意思を尊重いたします。如何様にも ご随意に」

 私の考えは、とっくに決まっていた。

「魂を提供する契約は、どうすれば…」

 最敬礼する<冥忌士>。

 ゆっくりと姿勢を正すと、冷ややかに<天上使>を見た。

「と言う事です。<至高の存在>の単なる使い走りは、<天上界>にお帰りを」

「卑賤な者が、<天上使>を侮辱するのですか!」

「─ 序列6位の小生と 勝負する気がおありなら、お相手しますよ?」

「ひっ!」

 <天上使>が慌てる。

「まさか?! <地下界>9公爵の1柱!?」

 いきなり、その気配は消えた。

「ふん」 

 鼻を鳴らし後、<冥忌士>は破顔する。

「貴公の選択、決して後悔させませんので ご安心を──」
作品名:そんな訳が。 作家名:紀之介