小説が読める！投稿できる！小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ！

15.コロナウィルスに関するあれこれ

1.
『総理、嫌でしょうが桜を見る会について質問させていただきます、時間が余ればコロナ対策もやります』

「なあ、幹事長のあの言い回し、さすがに拙いよな」
「『嫌でしょうが』って前置きすることで総理が窮地にあるって印象を付けたかったんだろうな」
「いや……そこじゃなくて」
「『時間が余ったら』か」
「そう、いかにも付け足しで、本当はどうでも良いって思ってるんだって印象にならないか？」
「なるな」
「な？　拙いよな」
「しょうがないよ」
「何で？」
「だってコロナ対策なんて何も考えてないんだから、代案なんて一つもないんだから時間をかけたらそれがバレるだろ？」
「そうか、そうだな」
「だから『コロナ対策』なんて付け加えるべきじゃなかったな」
「そっちか……」


2.
『武漢肺炎と言う呼び方は先方に失礼、ヘイトです！』
『子供たちを家に置いておくなんて、ありえない！　ありえない！』
『すべてが後手後手、すべてが場当たり的な対応というのは、絶対許しちゃいけないと思います！』

「なあ、参院幹事長の発言さぁ、一貫性がないよなぁ、後出しじゃんけんって言われてもしょうがないよ」
「一貫性ならあるぜ」
「え？　どこに？」
「政権の揚げ足取り、イメージダウン狙いさ」
「それにしても矛盾に気づかないかなぁ」
「無理だよ」
「なぜ？」
「何も考えずに脊椎反射で口を動かしてるだけだからさ」


3.
『陽性と言うことは感染していらっしゃらないということなんですね？』
『？？？？？？？………………』

「なぁ、代表、言い間違えただけだよな」
「言い間違いじゃないだろ？　陽性か陰性かなら言い間違いだけどさ」
「じゃあ、聴き間違いか？」
「それも違うね、念を押してるんだからさ、間違って憶えてたんだろ？」
「いくらなんでもそれは……」
「しょうがないよ、ウィルス対策にはまるで興味がないんだから」
「頭の中は倒閣だけか……」
「それも違うと思うな」
「え？」
「本当に政権交代しちゃったらどうなるかは知ってるはずだからな、あくまで『はず』だけどさ……」


4.
「なあ、新型肺炎患者を隔離したホテルが倒壊って、あり得ると思うか？」
「隣のビルに傷ひとつ付けずに奇麗に崩れてたな」
「だろ？」
「まあ、燃えたら隣のビルも被害を被るからな、なるべく穏便に事を勧めたんだろうよ」


5.
「韓国の患者数の増え方がすごいな」
「日本に負けたくないんだろ」
「いや、これは不名誉なことだろ？」
「気が付かなかったんじゃないか？」
「いくらなんでもそれは……」
「まあ、最近やっと気が付いたみたいだけどな」
「今度は隠すのかな」
「いや、検査体制が日本より進んでいるからだって言ってるぜ」
「つまり、日本には潜在的患者がもっといるはずだと？」
「だろうな」
「収束すればバレることなんだけどな」
「関係ないよ、きっと日本には千年先までウィルスが残るって思ってるぜ」
「それはいくら何でも……」
「事実かどうかは関係ないんだよ、そう思いたいかどうかなんだ」
「だけどさ、そうしたら千年先まで日本旅行は出来なくなるよな」
「そう言う矛盾は気にしないだろ……そう考えてくれた方が良いけどな」


6.
「日本が韓国からの入国を制限したら、向うもやったな」
「ああ、しかも報復だってはっきり言ってるな」
「どういうつもりだろう」
「脅してるつもりだろ？」
「向うの方が感染者はずっと多いのに？」
「わかっててもわからないふりをするのさ」
「なぜ？」
「日本より上だって考えてないと息苦しいんだろう」


7.
「韓国からの入国を制限する国が103か国に増えたな」
「そうだな、だけど気にしないだろうよ」
「なぜ？」
「韓国が世界から孤立するんじゃなくて、世界が韓国から孤立してるって考えるからさ」
「だけど日本に対してだけ文句付けるのな」
「ジャイアンが『のび太のくせに生意気だ』って言うのと同じさ」
「だけどジャイアンは誰にだって文句付けるぜ」
「自分がジャイアンみたいに強くないことには薄々気づいてるのさ、だけど強いんだって思いたいからどこかに犠牲者を作らなきゃいけないのさ」
「それが日本か」
「まあ、日本にだけは勝ってると思っていればとりあえず幸せらしいからな」


8.
『中国・韓国人の入国制限の科学的根拠は！？　政府対策本部の議事録の提出を求めます！』

「参院幹事長、またやっちゃったな……」
「ああ……拙いよなぁ、何も知らないのかな……」
「だろうな、そうじゃなきゃ口が裂けても言えないよ」
「もし本当に科学的根拠が提出されたら……」
「コロナウィルスがどこで造られてどこから漏れたかバレちゃうんだがな……」