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フリーソウルズ2

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Scene.48
ユアトメール

(ユアトからのメール文面の続き)
"灌北大学に出向く。
超科学メンバーとも会う。
ただしその際に生配信を行いたいから、ギャラリーを1000人集めてほしい"

灌北大学超科研部室
ユアトのリクエストに応えられる妙案があるか額を寄せ合う4人。

リョウ  「うちで1000人入るホールって灌北アリーナしかないよな」
レン   「アリーナは毎年軽音が押さえてるでしょ。今年はたしか、ガールズロックバンドで・・・」
カモ   「(学園祭準備委員会のレジュメを見ながら)ひめぎみ・・・か・・・」
ゆっちん 「仮にアリーナを使えたとしても、うちら超科研の研究発表で1000人集めるのは無理やで」
レン   「ユアトは無理だとわかっててわざとハードルの高い条件をつけてきたんだ」
リョウ  「会う気がないのさ」
ゆっちん 「俺たちを甘く見てる?」
レン   「ユアトの名前で集められないかな」

スマホで動画アプリを開くレン。

レン   「ゼーレ再生回数100万回突破してるし、チャンネル登録者も1万」
リョウ  「100万回超なんてざらにある」
カモ   「ユアトを知らない人のほうが圧倒的に多い」
ゆっちん 「ほんとに興味あるのは、マニアだけ」
レン   「1000人くらい何とかならないかな。無料だからうちの学生だけでも」
カモ   「もしユアトに興味を持つ学生が1000人いるなら、超科研部員が4人なんてことはないだろ」
ゆっちん 「サッカーやバスケ部は人気あるよ。だけど都市伝説や超常現象に関心ある奴なんて、少数のオタクだけや」
リョウ  「去年のうちの展示イベントの来場者、たしか50人ちょっと」
ゆっちん 「写真の出来が悪すぎた」

話し合いが行き詰まる。
溜息をつきながらスナック菓子を口に運ぶゆっちん。
1000人のギャラリーを集める方策が見つからない4人。

リョウ  「(呟く)諦めるか・・・」

ボックスに重い空気が流れる。
去年の灌北学園祭の動画をスマホで見ていて閃くレン。

レン   「ひとつだけ方法がある」
リョウ  「1000人集められる方法か?」
レン   「うん」
リョウ  「まさか・・・」
ゆっちん 「無理でしょ・・・」
レン   「まだ何も言ってない」
ゆっちん 「・・・」
レン   「軽音の連中にかけあってみて時間をもらう」
ゆっちん 「軽音に?」
リョウ  「時間をもらってどうするよ?」
カモ   「たしか、今年は早々に外部チケット完売したと言ってたな」
レン   「あとは学生向けが少し」
カモ   「観客が1000人入った状態で時間をもらえれば・・・」
リョウ  「演者の体を装ってか?」
ゆっちん 「だけど、軽音が譲ってくれるかな」
カモ   「去年もタイムテーブルに余裕があった」
レン   「軽音に同じ学科の奴がいる。友達じゃないけど・・・」
カモ   「ユアトはとくに時間の指定はしてこなかったし,いい案かも」
リョウ  「軽音部が時間を割いてくれたとして、学園祭実行委員会が認めてくれるか」
カモ   「そこだな。委員長はカタブツだし」
リョウ  「そもそもなんでユーチューバーひとり会うためになんで俺たちこんな苦労しなきゃならないんだ?」
ゆっちん 「条件を飲むて言うてしもたやん」
リョウ  「勢いでな」
ゆっちん 「やっぱりできませんでしたって、断るか」
レン   「それも悔しいな」
リョウ  「カモさん、どうする?」
カモ   「みんな、俺たちがユアトに会うのは何のためだ?」
レン   「佐伯先輩の名誉のため」
リョウ  「ゼーレの真実を確かめるため」
ゆっちん 「佐伯先輩の妹さんのため」
カモ   「で、みんなどうする?」

リョウ、レン、ゆっちんに決断を求めるカモ。

リョウたち「やるしかない!」

ふたたびハドルを組む4人。


作品名:フリーソウルズ2 作家名:JAY-TA