スーパーソウルズ
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ユアトくん、君はお父さんから騎士団という名前、聞いたことあるかね?」
「騎士団? いいえありません」
「そうか・・・」
「何なんですか、騎士団って?」
「騎士団は聞くところによると、フリーメイソンの一派らしいのだが、正体はよくわかっていない」
「そうなんですか。いや勉強しておきます」
「ところでユアトくん、ジュノックは見つかりそうかね」
「ジュノック、ですか」
「そう、ジュノック」
「ジュノックは過去、誰も見た人がいませんので・・・」
「君が追っているあの高校生はジュノックじゃないのか」
「彼はジュノックではありません」
「その子が将来ジュノックになる確率は?」
「確率でいうとゼロではありません」
「ゼロではない?」
「おそらく50%。いや、それ以上の確率でジュノックになるかと・・・」
「そうか・・・」
益岡はタバコに火をつけて言った。
「ユアトくん楽しかったよ。君の役目はこれで終わりだ」
「えっ?」
ユアトの目が大きく見開いた。
ユアトの首筋に太い注射針が突きたてられていた。
磯部が白いハンカチで、自分の指先を丁寧に拭った。
END