左端から見れば全部右寄り
23. K難度
「さあ、床運動、ムン選手の演技が始まります」
「あまり注目しない方が良いと思います、構うとすり寄って来て粘着しますからね」
「最初の技は……出ました、『すり替え』です」
「輸出管理を輸出規制と言い換えましたね」
「次は……『曲解』です」
「ねじ曲がってますからね、まともな受け答えは出来ないんでしょう」
「次の技は……おっと大技『歴史問題』です」
「彼の言う歴史は自分に都合の良いように捻じ曲げてますからね、『曲解』から派生した技ですね」
「ここで繋ぎの技、『こじつけ』です」
「これも『曲解』からの派生技です」
「さあ、大きく助走を取って……『謝罪』からの『賠償』! ここで連続技を出してきました、いや、しかしこれは失敗です!」
「これは常にワンセットですね、優越感と実利を併せた強烈な技です、ですが『謝罪』が失敗すると『賠償』に繋げられないのがこの技の難点です」
「おっと、連続して大技を出してきました『ゴール移動』です」
「先ほどの連続技を失敗しましたからね、ゴールを動かすことによってなかったことにしたいんでしょう」
「おや? 動きが止まりました」
「これは『ぼっち』ですね、淋しそうなふりをすれば同情を集められるとでも思っているんでしょうか」
「さて、気を取り直したように上を向きました『勝利宣言』です!」
「『ぼっち』が有効な技になりませんでしたので、開き直りました」
「動きが激しくなりました、同じ技を何度も何度も繰り返します」
「最も得意とする技『嘘』です」
「さあ、フィニッシュに向かいます、四連続技が予定されています、『親北』!『媚中』!『反米』!そして『反日』!! あっ、しかし着地に失敗です!!! ムン選手、立ち上がれません!」
「腰が砕けたようですね、これはかなり重症です、再起不能かも知れませんね」
「F難度の大技だったんですが、残念です」
「いえ、失敗するところまで含めて技の難度を評価しなければいけません」
「と仰いますと?」
「この四連続技からの玉砕は他の国の選手には真似出来ません、ですからこれはK難度と呼ぶべきでしょうね」
作品名:左端から見れば全部右寄り 作家名:ST