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12. 平和の祈り



 今日はちょっと真面目に……。
 ローマ法王が来日中ですね、11月24日は長崎、25日は広島で式典があったとか。
 いや、もちろん平和のためにお祈り下さるのはありがたいのですが、ちょっと違和感を感じないでもありません。
 唯一の被爆国である日本から世界に向けて平和の祈りを発信されるのは結構ですが、本気で核廃絶を訴えるなら核保有国を訪問されたらいかがかと思ってしまうんですよね。
 私自身、核廃絶を願う気持ちはありますよ、もちろん。
 しかし、現実はどうなんでしょう?
 アメリカ、中国、ロシアは核を保有しています、この三国のどれかが核を破棄すれば残りの二国は「では私も破棄しよう」と言うでしょうか? どうもそうは思えません、と言うよりありえないですね。
 もし本当に廃棄の合意ができたとします、その場合「いちにのさん」で同時に廃棄しなければならないわけで、それを監視する第三者が居なくてはなりません、誰が監視するのでしょう? 国連ですか? 三国は国連の常任理事国でもあるんですよ、信用できますか?
 相手の隙を虎視眈々と狙う、それが常識だと知らねばなりません、日本人は戦争を生理的にと言って良いほど嫌っています、それはもちろん良いことなんですが、戦争など起こりえないと考えるのは甘いと思います、世界中から軍事費と言うものが消え去ったら人々はもっと幸せになれる、その通りです、ですが地球上から大なり小なり戦火が途絶えることがない現実を見据えなければなりません。
 大国と言う意味合いで三国を挙げましたが他にも核保有国はありますよね。
 仮に三つの大国が同時に核を破棄したとしましょう、そうしたら世界の軍事バランスは大きく変わります、強力な軍を持たなくても大国と対等以上になれるわけです、そうなったら大喜びしそうな独裁者がいますよね、日本のすぐ近くに。
 
 つまりですね、日本から平和の祈りを発信するのはムード作りには最高でしょう、ですが、実際には何の役にも立たないってことです。
 ヘイワ、ヘイワとお題目を唱えていれば平和が維持できるならば、私だって毎朝お祈りしますよ。
 ちょっと言葉が過ぎるかもしれませんが、日本で式典を執り行うのは、『バチカンは世界の平和を願っている、核廃絶を願っている』と言うPRでしかないと言うことです。
 本気で核廃絶を目指すならば、日本ではなく核保有国へ行って廃棄を訴えて欲しい、そう思うわけです。
 まあ、それでも大した効果はないだろうと思うんですよね、アメリカはキリスト教ですが、ロシアはロシア正教ですし、中国に至っては宗教を禁じてますから法王様が何をおっしゃってもおそらくは……。
 核廃絶も大切ですが、今法王様がすべきは香港で起こっていることを止めようと努力されることではないでしょうか、香港はイギリス統治時代が長かったですからキリスト教徒も多いと思いますよ、あれを収めてから核廃絶を訴えたならちょっとは効果もあるかもしれませんけどね。
 
 ちょっとひねくれた見方でしょうか? 私はそうは思っていませんが……。

作品名:左端から見れば全部右寄り 作家名:ST