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勇者ポイポイの冒険

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「ふふふ、やはり来たか、魔王様の城へは行かせん!」
ずっと待ってくれていたのだろうか。だったら悪い事をした。
小さく俺は中ボスらしき男に頭を下げ、全力で倒しにかかった。

「ポイポイはタクマンに勝った」

もう少し良い名前を彼に付けても良かったんじゃないだろうか、だったら魔の道を進むことはなかっただろう。
俺は心を痛めながらもその場を後にした。
荒地を抜けると新しい町が見えた。塩の香りからして港町だ。
海鮮物が食べたくて仕方なかった俺は、すぐさまレストランに向かった。
海鮮物が無いレストランだった。



勇者ポイポイの冒険 第五章

使っていた武器がボロボロになったので、武器屋に立ち寄った。
基本ナマクラしかないここらの武器屋でもマシなのはあるだろう。
「銅の剣は100ゴールドです」
100ゴールドを支払い銅の剣を購入した。
ナマクラ中のナマクラだった。
町を歩いていると、三年前までよくゲーセンに行ってたタナシ君と再会した。
筈だったが、一度こちらを見て彼はそのままスルーして行ってしまった。何かもういいや、もう、いいや。
最近ネトゲをやっていないせいか、手が震えている。
また戻りたいな、前のような生活に、戻れるかな。

冒険に戻る度ふと気が付いた。
タナシ君を仲間にすれば良かった。

DSでラブプラスをしながら草原を歩く。
「ポイポイ?なんだポイポイじゃないか!」
どうでもいい場所で昔の友人とどうでもいい再会をした。それでもラブプラスをやる手は止めなかった。
「おいおい、まだゲームばっかりやってるのか?そろそろ現実見た方がいいぞ」
ラブプラスをしてるときに説教された。ポイポイに精神的ダメージ。
とりあえず俺は彼に残りの惣菜を
手渡し、冒険を続けた。



勇者ポイポイの冒険 第六章

歩いているといつの間にか滝に着いていた。どうやらこの滝の上に登らなくては先に進めないようだ。
とりあえず作戦を練るフリをして
親からのメールに返信する。
ついでにたまってたマックのメルマガを削除する。

滝を下から見上げる。
こりゃ無理だ。
いくら勇者だとはいえ、今回のクエストにはタジタジだった。

マ○オならこんなの軽く登るだろう。などと考えているとマックからメルマガが送られてきた。
因みに俺はモス派だ。

いったん家に帰る事にした。

マックでポテトを買って、モスでバーガーを買った。
コーラは家にあると思うが、その場の空気で購入した。多分俺は爽健美茶が飲みたかった。
家に着くと、待ちくたびれた魔王がリビングのソファでテレビを見ながらコーラを飲んでいた。
やっぱりコーラ買ってよかった。
まぁ爽健美茶が飲みたかった。

魔王に挨拶した後、姫の性格についてある程度語った。
彼女は何かしら優柔不断らしい。
実際見てはいないが、優柔不断っぽいらしい。
魔王が城に帰る間際に、魔王もラブプラスをやっていることを知り、親近感が湧いた。


勇者ポイポイの冒険 第七章

今日は好きな漫画の最新巻の発売日。だが俺は姫を助けに行かなければいけない。
しかし今日は魔王とカラオケに行く予定があるので、姫が自力で脱出してくれたら幸いだ。
すると魔王からメールが来た。
「姫が脱走したからカラオケはまた今度な、ごめん(>_<)」
脱走は仕方ない。だって脱走だもんな。カラオケ中止は姫のせいだ。
というわけで、俺は冒険を再開した。モンスターをバッタバッタとなぎ倒し、ついに魔王の城にたどり着いた。
魔王を倒した。
本当は今日一緒にカラオケに行く筈だったやつを倒した。一緒に粉雪歌いたかった。

ぶっちゃけ魔王は余裕で倒せたが、肝心の姫が脱走していて、どうすればいいのかTwitterで聞いた。
結局返事は来ず、見えない明日を目指して家路についた。



勇者ポイポイの冒険 第八章

流石に魔王を倒した後はヒマになった。ヒマ過ぎて最近健康に気を遣うようになった。
なんだかとても寂しくなってきたので俺は爽健美茶を片手に武器屋に行った。武器屋に着く前に爽健美茶を飲み干してしまったので、ペットボトルの処理に困っているところで自分にそっくりな人とすれ違ってちょっぴり勇気を貰った。
因みに俺は武器屋に行くのをやめた。小腹が空いたのでサイゼリヤに立ち寄った。
「いらっしゃいませ、ご注文は」
この店員に凄く似ている芸能人の名前が思い出せないまま、俺は口に出して言うのも小恥ずかしい「青い海の幸マックス盛りゲッティ」を頼んだ。
しばらくレジ付近のおもちゃ売り場をチラ見しながら待っていると、「青い海の幸マックス盛りゲッティ」が運ばれてきた。

ポイポイは満腹になった。

すると外が騒がしくなってきていた事に気付き、窓越しにチラ見る。
どうやら悪の化学者が魔王の血を使い新たな魔人を作り出し、世界を征服しようと目論んでいるようだ。
ここは空気を読んで悪の化学者を倒しに行く旅に出た。
そしてナポリタンを買い忘れた。

新たな旅に出た俺は、流石にもう1人はうんざりになり、本気で仲間を探すことにした。とりあえずSkypeで何人か誘ってみる。

仲間が30人出来た。

多分ネトゲのフレンドだ。顔を見たことがないので何とも言えない。
仲間が集まったので早速冒険に出た。旅に出た当初はみんなが仲良く良い感じだった。が、次の町に着いた途端何人かが、仲間が多すぎると言い出し、後ろを振り向く度に人数が減っている気がした。
気にせずナポリタンを食べた。夕方5時なのに。夕方5時なのにナポリタンを食べた。
気が付くと、仲間は1人もいなかった。帰ったんだ。
悪の化学者の話しをした時から、何かおかしいとは思っていた。
化学者についてはあまり乗り気ではなかったらしい。
しかしこれで俺は一つ学んだ。

人生はゲームのようにはいかない



勇者ポイポイの冒険 第九章

町中を歩き回っていると、1人の老人がベンチに腰掛けていた。
そのご老体からはただならぬオーラを感じた。地鳴りのするような
異様な迫力からは、老人とは思えないパワーが漂っている。
俺はその老人に話しかける。

という夢を見た。

宿屋で目を覚まし、俺は装備一式を持ち清々しい朝日、太陽におはようを告げると、眠気も吹き飛び心が洗われた。
何だか最近健康な生活をおくっている気がする。
気がするだけで俺はラブプラスをする。

冒険を再開し、町の外に出る。
すると馬に乗った青年がこちらに向かって走って来た。
「君、ポイポイとかいう人だね、
ちょっとついて来なさい」
ラブプラスをしていてほとんど聞いてなかった。
とりあえずついていこう。

ついていったら牢屋に入れられた。俺はとりあえずキテレツを探した。
「ふっバカめ、何が勇者だ、こんなへなちょこ剣士に我が魔王様がやられたとは考えられない」
ごもっともだ。ってか俺は自分で勇者だと思った事は無い。
俺はただのニートだ。
しかし、こりゃ困ったな。



勇者ポイポイの冒険 第十章

牢屋に入れられどれくらい経っただろう。見張りの兵士に凝視されながら俺はまだキテレツを探していた。
「魔王様の仇だ、公開処刑の準備をしているのさ」
作品名:勇者ポイポイの冒険 作家名:みらい.N