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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K ゼロ 「スピンオフ」(仮題)第7話まで公開

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第7話 想像上の現実



「私の名前はミュウ。誰か見てるかしら?」
・・・・・・・
「ハロー。ミュウ、こちらロキシー。ニューヨークにいるわ」
「はじめましてロキシー。よかった。ちゃんと繋がった」
「ソーシャルネットワークサイトを使用しないで、ダイレクトにアクセスしてくるなんて、あなたハッカーか何か?」
「私がハッカーに見える?」
「ハッカーっていうより、無邪気なティーンエイジャーって感じね」
「私これでも夫がいるのよ」
「そうなの? それはごめんなさい(笑)でも私に連絡して来た目的って何なの?」
「その説明は難しいわ」
「やっぱり、怪しい犯罪に手を染めてるとか?」
「このアクセス行為自体は、犯罪じゃないの。ちょっとした実験のようなもの」
「実験?」
「ええ、私の声ズレたりしてないかしら?」
「別に問題ないけど」
「やった! 成功だわ」
「何が何が! まさか教えてくれずに切っちゃうんじゃないでしょうね」
「いいえ。ずっとお話ししてたいくらいよ」
「ミュウ、あなたどこに住んでるの?」
「私のいる場所は、・・・・・・惑星アップルよ」

 私がいるヴァーチャルリアリティの世界にプログラムされた惑星アップルと、その世界の地球との距離はとんでもなく離れているの。宇宙船で行き来するには四半世紀以上かかるけど、先進波通信なら200日程度が必要。でも現実の地球なら、このホログラムチャンバーのすぐ外にあるわ。私たちはプログラムの設定上、仮想の地球とはオンタイムで通信が出来ないんだけど、現実の地球とならそれは可能なはず。
 このヴァーチャルプログラムを作った現実世界のプログラマー リズ(エリザベス・メアリング)だけは、特別な権限を使って、オンタイムでの交流が可能だけど、私たち仮想現実のキャラクターは、そのプログラムに支配されていて、なんだか不便。だから私、こっそりプログラムの抜け道を作っちゃたった。