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泉絵師 遙夏
泉絵師 遙夏
novelistID. 42743
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焼きそばパンは正義!

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「飢えてもいないのに、飢えた者のようにふるまうと、やがて飢えるようになる。争わず、公平にあれば誰もが正義を享受できる」
 コルネ上の少女が高々と両手を掲げる。「|幸《さち》あれ!」
 大量の焼きそばパンとチョコ・コルネが綿雪のようなメレンゲに代わって降ってきた。
「焼きそばパンこそ正義」
 少女が声を張り上げる。「チョコ・コルネこそ正義!」
 少女が幾度かそれを繰り返すと、校舎のそこかしこから同調して唱和する声が上がった。
「焼きそばパンこそ正義!」
「チョコ・コルネこそ正義!」
「焼きそばパンこそ正義!」
「チョコ・コルネこそ正義!」
 唱和する声は膨れ上がる。
「焼きそばパンこそ正義!」
「チョコ・コルネこそ正義!」
「正義を皆の手に! 我々の手に!」
 ひときわ声高く叫んだ少女は、その一瞬後には消え去っていた。空中に浮かぶ焼きそばパンもチョコ・コルネも跡形もなく消え失せていた。それどころか、校舎を覆っていたチョコも、そこいらじゅうに絡みついていた焼きそばも全て嘘のように無くなっていた。
 そのかわりに、生徒達はみな、各々手にしているものがあった。右手に焼きそばパン、左手にチョコ・コルネ。
 歓声が構内をどよもす。
「焼きそばパンこそ正義!」
「チョコ・コルネこそ正義!」
 唱和が充ち溢れる。
 そんな中、あの少女の声がどこからともなく降ってきた。
「イチゴミルクは愛!」
「おぉぉぉぉ!」
 それは鬨の声よろしく、校内に響き渡った。
「な、なんだったんでしょう?」
 芳江が上ずった声で言った。
「さあね」
 友紀子は返す。「でも、焼きそばパンとチョコ・コルネ、納品増やしてもらわないといけないわね」