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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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おしゃべりさんのひとり言【全集1】

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こう聞かれた。これは相手の最終手段だろう。しかも会話は証拠として録音されている。相手の規約を逸脱しないように、慎重に答える必要がある。
「そうですね。こう言う時のために用意されていた保険だと知っていれば、絶対に加入していました」
「はい、解りました。では、担当が私共と代わるのですが、現在から購入された時期に遡って、保険に加入可能か確認致します」
「ありがとうございます。そうしていただけると助かります」
と言うふうに話は前進した。

また後日、保証の担当者から電話がかかってきた。内容はうんぬんかんぬん、今までの流れの整理と、その保険費用4か月分の一括納入の説明。些細な金額だ。それを承諾すると、端末保証が受けられるという提案だった。
「ぜひお願いします」僕はこう答えた。
「では、故障した端末は修理を希望されますか? その場合の手数料は5千円ほどで済みますが、新規に交換されるのであれば。8千円ほどになります」
保険に入るだけで、こんなに待遇が変わるものなのか。
「新品に交換してください」
しかも支払いはポイントで済み、実質ゼロ円でことは済んだ。

また後日、交換した携帯の受け取り方法のことで、また修理サービスの責任者の男性から電話があったけど、
「こんな苦情が毎日あるんですよね。お手数おかけして申し訳ありませんでした」
「いえいえ、こちらこそサービスが行き届いておりませんで、ご迷惑を・・・」
この言葉はサービス業の鏡だと思う。
外国メーカーの対応は、その企業独特のものなのか、日本メーカーだったらもっと違う結末だったのかは判らないけど、IT業界の複雑な契約関係を垣間見た気がした。

早速翌日、近所のサービスショップの開店時間に、交換品を受け取りに行ったら、待ち時間などなく、店員が本当に丁寧な応対をしてくれた。普段なら大して気にかけないことだが、こんなことの後だから、その企業のサービス精神を感じずにはいられなかった。
新しいスマホを確認すると、前に気になってた画面の凸凹もなかった。やっぱり前の端末は品質的に悪かったんだと思う。今は何もかも、すっきり解決した気分だ。

「ありがとうございました」と言って、カウンターに備え付けられていた『いいねカード』をその店員に手渡し、
「今日も一日、お仕事頑張ってください」と言って店を出た。
この企業の各担当者の連携と対応力に対する感謝の気持ちを、少しでも表したかったので。