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天空の庭はいつも晴れている 第11章 慈愛と呪縛

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「うん。友達って何だかわかってなかったから。で、教えてくれたんだよ。それで私がいいよ、って約束した。」
「うん」
「あれはまだ……続いている?」
「友達でいること?うん、続いているよ。僕はそう思っている。君は?」
「うん。でも、向こうへ戻ったら、御寮様と召使だ」
 その現実は二人に重くのしかかる。
「僕、薬草を盗ったことを言わなきゃならない。執事さんか家事頭さんに。このことは、君には関係ない。僕が自分で決めてやったことだから。それで、もし、僕がお屋敷を追い出されて乞食になっちゃっても、君は友達でいてくれるんだろ?それならいいよ。」
 ルシャデールはしばらく考えこんでいた。
「トリスタンに言えばいい。ナランやビエンディクじゃなく。トリスタンの方が、判断が甘い」
「そう?」
「うん、きっと大丈夫。なんとかなるよ」
「君の『大丈夫』は……あてにならない」施療所に盗みに入った時のことを思い出してアニスは言った。
「うるさい、男がいつまでもぐちゃぐちゃ言うんじゃない!」
そう言いつつも、ルシャデールは笑っていた。楽しそうに、そしてうれしそうに。それを見ているアニスも幸せな気分だった。
 帰り道は進むのが早い。橋を過ぎ、運河沿いに歩いていく。すぐに灯台が見えてきた。