【詩集】 蒼い風
瑠璃唐草
わたしは、かすみ草がきらいです
はなやかな花たちを飾るためだけに
その美しさをひそめている姿に
わたしをかさねてしまうからです
わたしは薔薇の花がきらいです
その無数の棘と刃で
わたしの身もこころも傷つけようとするからです
わたしは、ひまわりがきらいです
ひかりのなかに立ちあがり
その大きな瞳でわたしを見おろすからです
わたしはちいさな青い花
あなたたちを愛でるため
ただ踏みつけにされるだけの
とるに足らない青い花
わたしの流すにがい涙は
いつかあなたたちを枯らしてしまうでしょう