【詩集】 蒼い風
あなたへ
もう、忘れてしまったでしょう
私のことなんか
もう、遠い日のことですから
あの日、突然に出逢ったこと
出逢ってしまったこと
私は今も後悔していません
あなたはどうですか
いま、しあわせですか
私には決して届かない遠い場所で
もう大きくなった子どもたちのことを思いながら
どこにでもある普通の生活に埋もれているのでしょうか
だったら、それでいいです
私は、あなたに自分の人生を後悔してほしくはないです
私も、後悔はしていません
私のこの人生がどれだけ惨めであっても
あなたに出逢えただけで、価値があったと思っています
でも
すこしだけ
あなたの若い日の思い出の片隅にだけでも
私がいられたらというのは、わがままでしょうか