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数量限定

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 商店街の奥、アスファルト道路が石畳に変わる先。

 私の行きつけの豚肉専門店<お別れ>は、そこにあった。

 時刻は開店時刻の5分過ぎ。

 扉を開けた店内には、まだ 他に客の姿はなかった。

 いつものカウンター席に私が座ると、マスターが注文を取りに来る。

「─ いらっしゃいませ」

「いつものヤツ お願いします」

「数量限定の、お塩で食べる 特選肉のステーキですね」

「週に1度は食べないと、何か落ち着かなくて」

「ご愛顧 有難うございます。」

作品名:数量限定 作家名:紀之介