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オヤジ達の白球 56話~60話

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オヤジ達の白球(56)全力疾走
 
 「昔の坂上がどんなやつかは知らん。
 だが敵に背中を見せて逃げ出すのは、卑怯者のすることだ。
 坂上は自分で作り出した事態の責任もとれない、意気地なし男だ。
 そんなやつは、大嫌いだ!」
 
 北海の熊が舌を鳴らす。見かねた寅吉が寄って来た

 「そんな風に決めつけるな。そんな風に斬り捨てたら坂上が可哀想だ。
 やつにだって事情がある。
 投げ始めてまだ、3ヶ月だぜ。
 その程度で投手ができるほど、ソフトボールは甘くねぇ。
 そのことを初登板でいやというほど体験したんだ、やっこさんは。
 いいクスリになっただろう」

 「それに」と、寅吉がさらにつづける。