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証

　この世に生きた証を残せるのは　ほんの一握りの特別な人だけ
　
　多くは　時とともに忘れ去られていく
　

　
　ただ　家族や知人がいるうちは　思い出となって各人の心に留まり
　
　遺した物は　故人の痕跡として輝く
　

　
　でも　いずれは彼らもいなくなる
　
　すると　思い出は彼らとともに消え
　
　輝いていた物は　ただの物と化す
　

　
　こうして　生きた証は　砂に書かれた文字のように
　
　風とともに　消えていく
　
　

　それでも　人は
　
　泣き　笑い　今日を生きる
　

　
　昨日までの何かを　残すためではなく
　
　うれしいことに出合う　明日のために