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根岸 郁男
根岸 郁男
novelistID. 64631
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徳冶朗と亜理須

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窓口の女性「座って少しお待ちください。あとでお声をお掛けしますので」
   徳冶朗、椅子に座る。
   窓口の女性、上司と話をしている。

○ 池田市民病院  病室の通路(朝)
   椅子に座り転寝している亜理須、突然目を覚まし、立ち上がる
亜理須「あ、やばい!連絡するの忘れてた」
   亜理須、スマホに番号を打ち込む。
亜理須「もしもし、おはようございます。亜理須です。磐田さんまさか、雄一朗さんのお金を奈津実さんに送金してませんよね。え!今銀行?送金の手続きをしてる最中?やめてください、今すぐ辞めてください。奈津実さんのお腹にいる赤ちゃんは息子さんの子供さんじゃありません。婚約者というのも嘘っぱちです。詳しいことは帰ってから伝えますんで。絶対に振り込まないでくださいね!」

○ 某 銀行
   徳冶朗、昔の二つ折り携帯を閉じ、窓口に近づく
徳冶朗「(奥に向かって)あの、やっぱり辞めますわ」
   奥にいる銀行の従業員、徳冶朗の方をみて少し笑みを浮かべ頷いている。

○池田市警察署 捜査課 朝
   壁に凭れ掛けた椅子に座り脚を半分せり出して仮眠している遠山。
   ドライブブレコーダーの確認をしている鑑識係り。
   二枚の映像が合致する。
鑑識係員「(振り返り)遠山刑事、合いました。合致しました。皹野がひき逃げ犯人です」
遠山「あんた、ずっと起きてたんか」
   椅子から起き上がり、中の映像を確認する。
遠山「(見て)素晴らしい。さあ、悪者退治いくで」
   鑑識係員、傍らの机にうつ伏せで寝ている。
   遠山、自らの上着を脱ぎ、鑑識係員にかけ、ポンと肩を叩く。

○ 奈津実のアパート 部屋
   奈津実、鏡を見て出かける準備をしている。
   TVゲームをしている皹野
皹野「銀行にいくだけやんか。化粧なんかせんでも」
   ドアのチャイムが鳴る。
皹野「誰や」
奈津実「はーい」

○ 奈津実のアパート 表
   警察の車が数台停車している。
   奈津実の部屋の通路には婦人警官と上着を着ていない遠山。
婦人警官「(中に向かって)朋坂さーん、池田士警察署です。開けてくださーい」

○ 徳冶朗の家 居間
   テーブルに箱菓子がスーッと置かれる
亜理須「大阪のお菓子です」
   徳冶朗と登紀子、受け取る
登紀子「お父さん、その前に雄一朗に報告しなきゃ」
徳冶朗「そうだな」

○ 徳冶朗の仏間
   お線香にローソクから火を貰い手を上下に振って火を消す。
   亜理須の作成した雄一朗のハガキサイズの仏壇額。
   雄一朗が微笑んでいる。
   手を合わせて拝む徳冶朗。
   後から、亜理須と登紀子も同じく合掌する

○ 徳冶朗の家 庭先
   亜理須の黄色い車が止まっている。
   亜理須が玄関から出てくる。
亜理須「秋には又慰霊祭があるのでお越しください。また声をお掛けしますので」
   亜理須、手を振って自分の車に乗る。
   亜理須の車がでていく。 
   徳冶朗と登紀子。
   登紀子、庭先に咲いている花が揺らぐのをみて
登紀子「あら風がでてきたようね」
徳冶朗「(少し両手を挙げ)明日は明日の風が吹くさ」
登紀子「今度は追い風になるといいわね」
   徳冶朗、微笑む。

       終わり
















作品名:徳冶朗と亜理須 作家名:根岸 郁男