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降水確率は100%

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「はい、まずは教室を出る」

 腕を引いて、歩き出そうする一子さん。

 動こうとしない繁晴君に気が付き、振り返りました。

「─ 何?」

「傘持ってないんだけど」

「それは聞いた」

「俺に、お前の横を濡れて歩けと?」

 繁晴君の鼻を、一子さんが指で捻ります。

「あんた…私をどういう人間だと思ってる訳?」

「痛い!」

「私の傘に、入れてあげるわよ」

「え? 良いのか!?」

「仕方ないし」

「悪いな」

「─ いずれ この借りは、返して貰うけどね」

「う。」

作品名:降水確率は100% 作家名:紀之介