小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

その必要は。

INDEX|2ページ/3ページ|

次のページ前のページ
 


「今日私は どうしても、相合傘をする必要があるの!」

 歯を剥いた明夏さんに、景冬君が顔を顰めます。

「その癖も、止めろっていってるよな?」

「本日のラッキーアクションなのよ!!」

「─ は?!」

 ぽかんする景冬君。

 目を血走らせた明夏さんが、距離を詰めます。

「もし相合傘をしなかったせいで…私の運勢が悪くなったら、責任取れる?」

「─ 朝は やってないけど、何にも起きてないじゃないか。」

「昼休みに、スマホで知ったの!」

「迂闊に、占いなんか見るなよ…」

「悪運は蛍も殺すんだからね!?」

 低く雷鳴でも発しかねないオーラを纏って、明夏さんは微笑みました。

「あんたが相合傘してくれないなら…こちらにも考えがあるから」

「ちょっと待て。」

「人通りが多い所で大泣きするから。帰り道、あんたの横でしゃがみこんで!」

 <泣くテロ> 宣言が出たら、もう何を言っても無駄。

 経験上 そう身に沁みている景冬君は、心中に渦巻く感情を抑え込んで呟きます。

「…帰り 俺の傘に入っていくか?」

「し、仕方ないわね。」

作品名:その必要は。 作家名:紀之介