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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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ひろしの詩

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紫色の音



老いた君の肌の中から
バラの花が咲いた
風鈴のような涼しい音が聞こえる
熱帯夜の夜だった

何かを探している
言葉に聴こえる
その言葉にはバラの香りがあった
香りに包まれた言葉であった

若い時の君を思い出す
愛と言う言葉が聞こえ始めた時の頃
君のからだは花に埋め尽くされていた
花壇のようだった

紫色の音は
そこから聞こえてくるようであった
若い頃の僕たちの
あの日々の音だ


作品名:ひろしの詩 作家名:吉葉ひろし