小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

ひろしの詩

INDEX|12ページ/13ページ|

次のページ前のページ
 

日の丸弁当


忘れかけていた記憶が「梅」の文字から
はっきりと思い出される
四角なアルマイトの弁当箱
飯の詰まった真ん中に
赤い大きな梅干しが殿様みたいに座っていた

父の弁当にはいつもその殿様が座り込んでいた
僕が小学1年生になった頃
弁当箱の蓋に小さな穴が開いていた
僕にはなぜ穴が出来たのか分からない

ふと父を思い出し
コンビニで梅入りの握り飯を買いたくなった
手に握っただけで
口の奥が痛くなるようだ
唾液が出てくる

学校の屋上に日の丸が揚がっている
「日の丸弁当」父が言っていた
そんな弁当で満足し
僕を育ててくれた
「父ちゃんありがとう」

作品名:ひろしの詩 作家名:吉葉ひろし