L K 3 「フェニックス」
[バイオロイドか? お前の型式は?]
「型式? 私は人間よ」
[・・・・・・・・・・・・。]
「どうしたの? もしもし?」
[・・・すぐに停船しろ]
私はコンピューターに停船をお願いした。ゆっくりと逆噴射がかかって、約10分で何もない宇宙空間に、ただ浮かぶことになった。
「もしもし? 停まったわ。誰か聞いてる?」
[もちろんです、リズ。私はケイといいます。この星のリーダーです。いくつか質問をしたいのですが、よろしかったですか?]
「ええ、こちらも聞きたい事だらけよ」
[あなたは本当に人間ですか?]
「そうよ。正真正銘人間よ」
[この星に人間が来るのは初めてです。姿を見せてください]
「どうやればいいの?」
[映像回線を開いてください]
「どうやるかよく分かんないのよね。ちょっと待ってちょうだいね」
[人間がアップルを訪問する理由は、何でしょうか?]
操縦席の正面のモニター画面に、相手の姿が映った。その人物はケニーそっくりだった。ケニーをモデルにしたキャラクターは、ケイっていう名前なのか。でも、そこに映るケイも驚いた表情をしているみたい。
「エルに会いたいから来たのよ。誰のことだか分かる?」
[・・・あなたがエルです]
作品名:L K 3 「フェニックス」 作家名:亨利(ヘンリー)