L K 3 「フェニックス」
『3件、エラーガ上ガッテイマス。プログラムヲ、初期化シマスカ?』
すると、ケニーは、
「プログラムを初期化します!」
「ま、待って!!!」
私は、初期化しようとしたケニーを止めた。安直過ぎる。
「初期化しないと、エラーをクリア出来ないよ」
「なんでよ? 初期化しちゃったら、起きてる問題の原因究明ができなくなるじゃない」
「リズの言う通りだ。ソリューション(解決策)を見付けるのが任務だぞ」
ニール軍曹も私に同意してくれた。
「エラーを修正しましょう。コンピューター。エラーの内容は何?」
私はコンピューターに直接問いかけた。
『電圧ノ不安定。マザー・サーバーヘノ通信異常。ホログラムキャラクター1名ノ、データ欠損デス』
電圧は仕方ないわね。電池を使ってるんだから。でも出力と容量は十分なはず。
「電圧の測定はイグノア(意図的な無効)に設定」
『本当に、イグノアニ、設定シマスカ?』
「YES。エラーリスタート」
『エラーガ一件、解除サレマシタ』
次はマザー・サーバーとの通信か。それは無理ね。センターの電源が落ちてるんじゃね。
「システム管理をローカルに切り替え実行」
『ローカルニ切リ替エルト、イーサーネットでのバックアップログノ取得ニ、制限ガカカリマス』
「構わないわ」
『本当ニ、システムヲローカルニ、切リ替エマスカ?』
「YES」
また暫く、装置がチカチカ点滅したり、キューンて変な音がしたりした。
『システムノ管理ガ、ローカルニ、切リ替ワリマシタ』
「エラーリスタート」
『エラーガ一件、解除サレマシタ』
作品名:L K 3 「フェニックス」 作家名:亨利(ヘンリー)