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わたなべめぐみ
わたなべめぐみ
novelistID. 54639
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謝恩会(後編)~その手に花束を~

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 〜♪Foo fighters 『next year』♪〜



要 「陽人くん、この曲を選んだのはなんで?」


倉泉「好きなバンドの一つですが、特にフロントのデイヴ・グロールは自分と同じ、ドラム出身のミュージシャンなんですよ。曲はもちろんのことMVが印象残りましたね、アメリカ音楽の王道みたいで」

要 「俺もこの曲好きだなあ。『Come on get on,get on. Take it till life runs out』ってとことか。『早くおいでよ 命の切符が売り切れる前に』って歌詞、すごく共感する。でさ、デイブ・グロールって、たしか元ニルヴァーナのドラマーだよね。ドラマーが歌詞も曲も全部作って、ギター&ヴォーカルに転向したってとこがほんと陽人君と同じだなあ。楽曲作成のときにドラマーのゴールドスミスに口出ししてほとんど全部グロールが作っちゃったもんだから、ゴールドスミスがへそ曲げてやめちゃったって聞いたことあるんだけど、陽人君はそういうことないの? バンドのドラムがどうにも気になるとか、口出しちゃうとか」

倉泉「――最初はありました。そもそもギミックの時も僕が書いたものを宮浦(v.g.)も郁さん(b.)も弾く(歌う)ところから始まりました」
MM「倉泉は元々別のバンドでゴリゴリやってたし、基本どのパートもできるんです」

倉泉「でも一人では同時に演奏、できませんよね。なので今の自分にはバンド単位がちょうどいいです。そして、バンドはプレーヤーごとに味があって、完コピしても人によって音が違うんです。だからそれはそれでいいと思うようになり、あまり口出ししなくなりました。」

要「ってことはギミック時代はMMに任せっきり?」

MM「始めはそうでもなかったけど、そのうちアドリブ入るようになったかなぁ。なんで自分は自分の色を全面に出してましたね」

要「MMを信頼してるんだ」

倉泉「そうですね。最初は僕が書いた曲なのに全く違うような感じで違和感あったんですけど、宮浦はアレでいいんですよ、宮浦らしくて。だから色んなコピーやアレンジがあっていいんじゃないかと」

要「じゃあギミックの曲を陽人くん歌って見てよ?」

倉泉「――いいですよ。」



  〜倉泉陽人のギター弾き語り。『ain't my business』〜



要「今の曲ギミックの最初で最後のアルバム『strawdoll』に収録された『ain't my business』でした! なるほどね〜陽人くんが歌うと、少し落ち着いたやわらかい印象かな? MMの方がからっと明るい感じがする」

倉泉「それがお互いの持ち味ですから」

要「あっいいこと思いついた!」

MM「要さんのひらめきは恐ろしい予感が…」

要「この曲さ、三人で歌ってみようよ。アコギもう一台あるし」

MM「やっぱりきた! 要さんの無茶ぶり!」

要「陽人君はそのままキープで、もう一台はMMね(←聞いてない)俺はタンバリン鳴らすし」(がたがた)

倉泉「…あの、高村さんはこの曲ご存じなんですが?

要「もちろんだよ。ほら、ここに歌詞もある。コードは俺が適当に拾ったけど、だいたいあってると思うよ」

倉泉「…宮浦、高村さんっていつもこんな感じなん?」

MM「そうや、無茶ぶりオンパレード。でも最近単なる思い付きでもないって気づいたんや。ほら、アルバムに収録されてる歌詞、全曲分用意してはるんやで。コードも書き込んでるし…」

要「それは俺だけの秘密!」

倉泉「最初からやるつもりだったってことですね…」

要「一応ギミックの楽曲だしメインはMMでいこうか。俺は下をハモるから、陽人くんは上のオブリガードいってくれる?」

倉泉「了解しました」

要「じゃあいくよ〜。ワン・ツー、ワン・ツー・スリー・フォー…」