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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K 2 「希望と絶望の使者」

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 最近は天気のいい日が続いて、タックは庭で日向ぼっこばかりしているわ。その庭のリンゴの木には、たくさんの実がなっている。温暖なこの惑星アップルでは、1年中収穫出来るように遺伝子改造をしておいたから。キュウが木に登って、少しずつもいでくるの。
「キュウ、今月は肥料を撒いたの?」
「まだ、撒いてないよ」
「そろそろ撒いとかなくちゃ、枯れちゃうわ」
アップルの土壌には微生物がいないから、土が自然に栄養を作れないの。だから定期的に培養液の追肥が欠かせない。
「雨が少ないし、まだ地中に残ってるはずだから大丈夫だよ」
「そうか、ちゃんと考えてるのね。じゃ、忘れないでよ」
「分かったよ。おい、グリン」
グリンがリンゴの入ったカゴを抱えながら、キュウを見た。
「はいキュウ様、何でしょう」
「お前、リンゴの肥料の濃度を計算出来るか?」
「イオンのモル濃度×イオンの価数ですね」
「そ、そうなの? じゃ、必要な養分ごとに計算して、混合してひと月分を撒いてくれ」
「はい、分かりました。この星には月はありませんが、ひと月というのは、この星の1公転周期の12等分の日数のことでしょうか?」
「普通そうだよ。ここは地球じゃないんだから。大体でいいよ」
「大体の公差が分かりません」
「それが大体でいいって意味だよ」

「エル様。この植物の葉を採ってもよろしいでしょうか?」
ミュウを抱きながらピンキーが聞いた。なんて可愛い声。
「いいけど、何のために?」
「日差しが強いので、ミュウ様の日除けにしようと思います」
「少しくらい平気じゃない?」
「この紫外線量で25分浴びれば、ボディの表面に炎症が出てしまいます」
「・・ええ、そうね。じゃ、傘を作ってくれる?」
ピンキーは、片腕にミュウを抱いたまま、オーガスタの葉をちぎって、顔の上にかざして日陰を作ってくれた。気遣いの細かさは私以上ね。
「子供用に日傘を3Dプリントしておきましょうか?」
ルージュが声をかけてきた。
「そうねルージュ。そうしてくれるとうれしいわ」
「ではすぐに。デザインはどういった物がよろしいでしょうか? 私でしたら、遮光率の高い素材で作りますので、色は地味になってしまいますが、細かな模様を入れれば、ミュウ様に合った可愛い物が作れますし、エル様がカラフルな色をお好みでしたら、内側に遮光シートを貼れば・・・あっ! 内側にホログラムを投影すれば、ミュウ様もお喜びに。ああ、私の指がもう少し長ければもっと器用に出来ますのに・・・」
またお喋りが始まった。