グレイ家の兄弟 Lycanthrope
G4の必殺技をことごとく破ったライカンスロープは、勝ち誇ったような笑顔を浮かべると、大きなハウリングをした。その音波はすさまじく、周囲の建物の窓ガラスが割れたり、建物自体にひびが入ったりした。G4も全身を無数の針で刺されたような感覚に襲われた。
「うわっ…!」
「体中が痛い…」
「やべえ…!」
「ううっ…」
ハウリングの影響はそれだけではなかった。あろうことかG4のディヴァインフォームが解除され、普通の服装に戻ってしまったのだ。
「ええっ、ディヴァインフォームが解けてる!?」
G4は自分たちに起こったことが信じられなかった。ライカンスロープは4人を一瞥した。
「ホモ・サピエンス、ゲームはお預けだ。3日後、ウッディヘンジ遺跡に来い。そこでおまえたちを葬る」
それだけ言うと、風のように去っていった。
G4は、しばらく立ち上がることができなかった。
- TO BE CONTINUED -
作品名:グレイ家の兄弟 Lycanthrope 作家名:藍城 舞美