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罪は重い。

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「絵衣。こんな変な所に呼び出して、何の用?」

 放課後。

 私の呼び出しに応じた椎子が、体育館裏に現れた。

「此処って…立入禁止よぉ」

 後ろめたいからこそ、そんな所に呼ばれても、ホイホイ来たに違いない。

「─ 私の美伊を誘惑した罪は、重いからね。」

「は…?!」

 椎子が、虚を突かれた声を出す。

「言ってる事がぁ、良く解らないんだけどぉ」

「今朝だって…私が来る前の教室で、腕を組んでベタベタしてたでしょ!」

「そう言う事は、美伊に言ってよぉ」

 人差し指で、椎子は自分の髪の毛の先を弄ぶ。

「何かと言うと、私に纏わり付いて来るのは む・こ・う。」

「嘘言わないで!!」

「腕だって…向こうから絡められたから、仕方なく組んだだけ だしぃ」

 聞くに値しない言い訳。

 制服のポケットに手を伸ばた私は、 <呪符> を取り出した。

「…?」

 唖然としている椎子の眼の前に かざす。

─ 喰っても良いのか? ─

 上方から響いてくる声に、私は命じる。

「ええ、食べて頂戴。」

 その瞬間、虚空から湧き出してきた <ノモマ> に、椎子は取り込まれていった。。。

作品名:罪は重い。 作家名:紀之介