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不老不死ロリの国 第五部分

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「うう。ここはどこだ?」
『ウイン、ウイン、ウイン、ウイン』
けたたましいサイレンの音。狭い場所は揺れている、いや動いている。
「あっ。やっと起きたね。」
「あれ?ここは覚えているぞ。ボクが元の世界で逮捕されたパトカーの中じゃないか。」
睥睨する昆太の視線には、警察官三人が引っかかった。
昆太の横にいた警察官が、高い声で昆太に話しかけてきた。
「無事に戻ってきたんだね。いなかったのは、ほんの一瞬消えただけだったけど。」
パトカーは昆太のいた学校とは別の古びた校舎の前に停車した。
壊れた校門の中に入って、三人の警察官は帽子と制服を脱いだ。その下は、ブルーをベースにしたフリル襟の付いたワンピース。漢字で苗字が書かれた名札がぶら下がっている。身長は女子高生そのものである。
名札の名前は、『山場、大神田、茎宮』とある。
「君たちはもしかしたら、箱子、吝奈、木憂華なのか?」
三人はニヤリとしたが、首を一度縦に傾けて、すぐに横に二度振った。
「あたしは耶麻野箱子だよ。」
「ワタクシは大神田吝奈ですわ。」
「Qは茎宮木憂華じゃん。」
 箱子、吝奈は巨乳、木憂華はつるぺたであることは、三人幼女と同一である。しかし、身長だけでなく、顔つきもオトナっぽく、ロリに比べると色気に満ちている。
「これはまさに三人幼女じゃないか。俺は元の世界に戻ったんじゃないのか。と言っても三人幼女はどうみても女子高生だな。ガックリ。」
 フツーの男子高校生感覚ならば女子高生の方がおいしいハズであるが、そこはロリ王を目指す昆太ならではである。
「この世界を救ってほしいんだよ。そのためにあちらに行かせたんだよ。そこでお兄ちゃんはなにかをつかんできたはずだよ。」
 箱子が目を潤ませながら昆太に訴えてきた。
「世界を救ってほしい?いきなり何を言ってるんだ。まったく状況が把握できないぞ。君たちはポリスで、以前に俺を逮捕したんじゃないのか。」
「警察官に化けたのは、お兄ちゃんを助けるため。お兄ちゃんはあたしたちを救う義務があるんだよ。」
「順を追って説明してくれよ。まず、俺は元の世界に戻ってきたということでいいんだな?」
「そうですわ。楼李昆太さんは正真正銘、この次元の住人ですわ。一度、別次元に行っていたことも事実ですわ。」
「君たちと向こうの世界にいた三人幼女との関係はいったい何なんだ?」
「あんちゃん。もうわかってるんじゃん。Qたちと向こうの世界のQたちは異次元同一体じゃん。」
「異次元同一体?それが本当だとすると、まったく同一人物が他の世界にいるということになるけど、その姿はどう見ても他人だろう。いやロリから女子高生に成長した姿というべきか。」
「そういうことだよ、お兄ちゃん。たぶん、あちらの世界のあたしもこんなだったでしょ?ちょっと、恥ずかしいけど、やってあげるよ。」
 こっちの箱子が胸をプルンと揺さぶった。
「シーン。」
 ノーマルな青春中の男子高校生であれば、『キュンキュン、グングン』とアドレナリンが放出されるはずであるが、昆太は無反応だった。
「箱子さん。持ち上げ方が足りないのですわ。殿方をエキサイトさせるためには、これぐらいはやらないとですわ。」
 こっちの吝奈が両手で巨乳を激しく上下運動させて、さらに自分で揉み上げている。
「シーン。シーン。」
 やはりまったく動じない昆太。視線は吝奈の巨乳に当たっていることから、すべての巨乳情報を脳内に伝達させた上での出来事である。
「ふたりともそんなことじゃ、あんちゃんのハートをわしづかみにはできないじゃん。あんちゃんの好みは貧乳なんだから、こうするのがいちばんじゃん。」
 こっちの木憂華も体は小さく、かつ貧乳である。その特性を生かすため、地面に斜めに座り背中を丸めることで、より体を小さく見せた。さらに、伏目がちにして、指を咥えて、ひとこと呟いた。
「Qはあんちゃんの妹になりたいじゃん。」
「これはロリ女子高生の淫靡な姿。インビジブルかもな。」
 少々ときめいたような感じの昆太。
「ほら、あんちゃん、来てじゃん。」
「やっぱりムリだな。疑似ロリと真正ロリは天と地ほど違う。」
「キューリー夫人博士でもダメなんだ。これじゃあ、お兄ちゃんに信じてもらえないよ。」
「いや、そうでもないぞ。話し方や顔はそっくりだし。でも何か決メテがないんだよな。」
「「「う~ん。」」」
 三人女子高生は眉間にシワを寄せて腕組みをしている。
 箱子は自分の腰のあたりを見た。
「これだよ、お兄ちゃん。」
 キラリと光ったナタを手にしている箱子。
「それは、向こうの世界の箱子が持っていたナタと同じもののように見えるな。すると、そちらのふたりも武器を出してくれ。」
 吝奈は牙、木憂華は注射器を出してきた。
「三人とも、これってフツーの女子高生が持つようなモノじゃないよな。君たちはこれの使い方を知っているか?」
「お兄ちゃん。それは知ってるけど、そんなセクハラを強要するっていうこと?」
 ショートな茶髪を触りながらもじもじしている箱子。他のふたりも同じような照れぶりである。
「やってやるよ、お兄ちゃん。これならいいんだよね?ハグっ。」
 箱子は昆太の腰にタックルした。
「お兄ちゃんの体を抱くのって、不気味に柔らかくてキモイよ。」
 吝奈は昆太のお腹のニオイを嗅いでいる。
「とっても臭いですわ!鼻がお兄様のように、右曲がりしますわ。」
「なぜそんなことを知ってるんだ?事実と相違する可能性もある・・・んだぞ。」
 クレームのトーンがスローダウンした昆太。
 木憂華は昆太の腕にプスリとやって、吸い取ったものを自分に注射した。
「これってスゴい毒じゃん。体に超悪いじゃん。ソッコーで死ぬかもじゃん。」
「だったら注射するな!」
『ピカ!』
 眼を開けられないような眩しさが周囲を包み込んだ。
光が消えて昆太が明順応した。そこに見えたのは大ナタ、牙の剣、巨大注射器。
「これは間違いなく、魔法の道具だ。」
昆太は目を輝かせた。
「お兄ちゃん、やっとわかってくれたんだ。でもこの道具はただ単に大きくなっただけ。何の力もないんだよ。」
「どうして魔力にこだわるのか?」
「お兄ちゃんはこの世界のことを何もわかってない。お兄ちゃん、自分が今何歳か知ってる?」
「ピチピチ、バリバリの17歳だ。いつから17歳?いつって、この前17歳になったはずだ。」
「バリバリの意味がよくわからないけど。『なったはずだ』?なった日にちぐらい、ハッキリ覚えてるんじゃないの?」
「そういえば、ちょっと前って気はするけど、ちょっと前って、いつなのかよく覚えてないような。」
「そういうことだよ。この世界の時間は止まってるんだよ。」
「そんなことがあってたまるか!しかし、向こうの世界でも同じことが起こってるような?」
「それを知ってもらうためもあって、向こうに行ってもらったんだよ。」
「ボクを向こうに送ったというのか?」
「そういうこと。ああすれば向こうから引き寄せてくれるとの連絡があったんだよ。」
「今はそんなことより、この状況を打破するためにどうすべきかですわ。」
「誰かが魔法でこの世界の時間を止めたということなのか?」
「そういうことじゃん。」