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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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a Suspicious Man

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 2019年1月16日、G4の次男ブライアンが、いつにも増して難しい顔をして座っていた。すると、長男のフレディが話しかけた。
「ブライアン、どうしたよ。また考え込んだ顔して」
 彼は兄をチラ見すると、話しだした。
「いやな、これだけ奇怪な事件が続いてるっていうのに、警察がほとんど動かないのはやっぱりおかしい」
 話に四男のジョンも加わった。
「まあ、前にドクター・フリックが言ったように、ガルーのやつらは人間と同じくらいの知能を持っているから、警察の目をかいくぐって殺人を続けるっていうのは可能だよな」
 ひと呼吸置くと、ブライアンは少し声を大きめにして話した。
「これは俺の考え過ぎかもしれないが、もしやあいつら、警察に『物品』を渡して自分らの行為を黙認させてるんじゃないのか…?」
 それを聞いた兄弟全員が、眉間にしわを寄せた。
「やつら、そんな卑怯なことを…ぐっ…」
 そう言って、フレディが歯ぎしりした。
「どこまで人間を下に見てやがんだ…」
 ロジャーも悔しさをにじませて言った。
「そんなもんだ、ソルシティの警察なんて」
 ブライアンが投げやりな感じで言った。
「警察が頼りにならない以上、やつらを止められるのは、俺らしか居ないってわけだな」
 フレディが、これ以上ないくらいきつい目つきで言った。
「それな」
 ブライアンがつぶやくように答えると、兄弟たちはしばらく難しい顔をした。G4はソルシティの人々を守るために戦っているとはいえ、本心では、けんかっ早いロジャーでさえ、殺し合いなど好まない。フレディ、ブライアン、ロジャー、ジョンは早く「日常」が戻るのを願っているのだ。

 そんな深刻な場面になっても、数分後には、スマホのゲームをやったり、保湿クリームを顔に塗ったりと、彼らの「ぐだぐだタイム」が始まった。


 一方その頃、ソルシティ市内のトゥアルィズコーヒーで、こげ茶色のスーツを着た賢そうな顔の中年の男が、スマホを使ってSNSに書き込みをしていた。
「1月18日午前10時、太陽の都に咲く『ヒマワリ』の中で35が失われる。同日15時より前に、小麦の香り満ちる場所で35が失われる」
 ここまで打ち込むと、男は視線をわずかに上に向けた。そして、書き込みの続きを始めた。
「5時間で70人、余裕だな。こんな手ぬるい殺しよりも、もっと大事なステージに進みたい」
 打ち込んだメッセージを送信すると、男は鼻で軽く息を吐きながらほほ笑みを浮かべ、ブラックコーヒーを一口飲んだ。そして店内に居る人々を見渡して、何を思ったのか歯を見せて笑った。
 その後、男はコーヒーを飲みながら、スマホの地図アプリを用いて何かのルートを確認していた。
作品名:a Suspicious Man 作家名:藍城 舞美