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幻想歌詞集

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貝の記憶



~1番~
 [Aメロ]
  月の満ちた夜
  小さな岩に座り
  波のカノンを唄ってた
  あなたに逢ったのは
  そんな日だった

 [Aメロ2]
  星に見守られ
  近づく旅の舟は
  波のワルツに揺られてる
  あなたは手を伸ばし
  水をすくった

 [サビ]
  空のような海のような
  とても懐かしい色の瞳は
  決して私をとらえない
  いつかは私も海に還る
  せめてこの水が
  あなたの糧となるように

~2番~
 [Aメロ]
  一夜だけの恋
  小さな岩の蔭で
  息をひそめて見つめてた
  あなたを追えないと
  知っていたから

 [Aメロ2]
  人間(ひと)と人魚は
  いつから違う時間(とき)の
  リズム選んでしまったの
  明日にはこの舟も
  島へ往きつく

 [サビ]
  空のような海のような
  とても懐かしい蒼い瞳は
  決して私を映さない
  いつかは私も海に眠る
  せめてこの水が
  あなたを無事に運ぶよに

 [サビ]
  澄んだ空気 なびく祈り
  月は頷いて青銀(ぎん)の雫を
  ひとつ落としてくれたから
  秘密の魔法を貝に込める
  それはあの人を
  愛した記憶 残すため

 [サビ]
  貝になった愛の記憶
  それを拾う人の耳が想いを
  語り継いでくれるように
  いつかは私も海に還る
  そこは生命が
  生まれる前の深い静寂(しじま)

作品名:幻想歌詞集 作家名:夏生由貴