小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

グレイ家の兄弟 THE MOVIE 「暴走中」

INDEX|14ページ/15ページ|

次のページ前のページ
 

 一行が道を進むと、さっきフレディが通った吊り橋があったところに出た。
「吊り橋、さっき切れて落ちちまった」
 フレディが真顔で言った。一同、唖然とした。
「切れて落ちちまったじゃねえよ!どうやって帰るんだよ、こんな状態で!」
 ロジャーがキレた。

 そのとき、アメリが上から何かが垂れているのに気づいた。
「あ、上でス!」
 見ると、上からなぜかロープが垂れ下がっていた。アメリが数えると、ちょうど6本あった。
「随分と都合がいいな」
 ジョンがつぶやくと、フレディがハイテンションぎみに言った。
「よーし、みんな、ロープにつかまれ!」
 仲間たちはリーダーの言葉に従った。全員がロープを握ったのを確認すると、フレディは叫んだ。
「行くぞ、せーのっ!!」
 6人で一斉にロープで崖の向こう側に移動した。

 ここからは賢いアメリやジョンが、フレディに代わってみんなを先導した。少し進むと、彼らは3人のエクスキューショナーに出くわした。G4は戦闘準備に入った。まず、ジョンが強力な連続キックで1人のエクスキューショナーを倒した。次にロジャーが、向かってきたエクスキューショナーに10万ボルト単位の電撃弾を浴びせた。そしてフレディは、燃える拳で渾身の右アッパーをエクスキューショナーにお見舞いした。

 一行が早足で進むと、地面に刺さった数本の槍がジグザグを描くように道を塞いでいた。6人はスラロームを描いて走った。アメリがふいにつぶやいた。
「また槍が降ってこないといいのでスが」
 ロジャーが震えながら言った。
「ぅおい、またぁ。やめろよアメリぃ!」
 しかし、彼女の不安は的中しなかった。彼女はホッとして、一人ほほ笑んだ。


 しばらく進むと、またもエクスキューショナーの姿が見えた。しかも2人いる。ブライアンは、壁に立てかけられている2本の矛を手にして、アメリとヒラリーを呼んだ。
「アメリ、ヒラリー、こいつを使え」
「え、ブライアン?」
「無防備じゃ危険だろ」
 彼の言葉に納得した女性陣は、それぞれ矛を受け取り、強く握り締めた。

 2人のエクスキューショナーたちはフレディ一行の姿を見つけると、彼らのほうに走ってきた。ヒラリーは一瞬ひるんだが、矛を持った腕を高く挙げて1人のエクスキューショナーの足を力いっぱい刺した。
「私、人を痛めつけるのは本来好きじゃないけど…」
 エクスキューショナーは、歯を食いしばったまま悶絶した。彼女は足から矛を抜くと、仰向けのエクスキューショナーの体に何度も槍を刺し、蜂の巣のようにした。しかし臆病なヒラリーは攻撃を終えると、
「いやあっ」
 の一声とともに後ろに引っ込んだ。

 もう1人のエクスキューショナーは、アメリに狙いを定めた。それを察知してか、フレディはエクスキューショナーの背後に回ると、その男を羽交い締めにした。アメリは攻撃のチャンスを作ってくれたフレディの目を見てうなずくと、
「ごめんなさいでス」
 とつぶやき、エクスキューショナーの体のあちこちを矛で突いた。やがてフレディがエクスキューショナーを離すと、すかさずブライアンが
「傷を作ったなら、洗わないとな」
 と言い放ち、手で銃の形を作って、指から高圧水流を放った。エクスキューショナーはしばらくのたうち回ったが、ついに動かなくなった。

― こうして、全てのエクスキューショナーが倒された。