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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「美那子」 真実 二話

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美那子は静子の家に泊まって翌日午後に帰ってきた。
そして美樹に三枝と会ってあなたの子供じゃないの?と聞いたことも話した。
暫く黙っていた美樹は美那子の顔を見て話し始める。

「突然そんなこと話して三枝さん困られたでしょう。美那子や秀一郎に対して私にそういう疑問を抱かせるような行動があったと思わせたことがいけなかったのね。その点は謝るけど、そういうことはないから心配しないでいいのよ」

「本当にそう言えるの?私が安心したいからDNA検査をして欲しいと言ったらお母さんどうする?」

「あなたが望むならそうするけど、結果は同じよ」

美樹は賭けに出た。自信を持って美那子に話せば検査はしないだろうと考えたからだ。
自分に不利ならおどおどするか逆に怒るかの態度になるとあらかじめ美那子の思いを計算していた。

「じゃあ、話して欲しいことがある。お父さんが離婚を決めた本当の理由は何だったの?三枝さんとの不倫がバレたから?」

「何度も言うけど仲良くしていたことは認めるけど不倫なんかしてない。お父さんはあなたや秀一郎と違いある意味他人だから私の返答を信じられなかっただけ。逆にお父さんの浮気を許したことがいけなかったのかも知れないって今は思うの」

「お父さんの浮気を許したからいけないってどういう事?」

「うん、本当に愛していたら嫉妬するだろうし、怒るだろうと思ったのよね。その前に冷めていたからお父さんが浮気していても全く気にはならなかった。そういう冷たい女だから他に求めたとも言えるね。夫婦って所詮他人だからこじれると元に戻れなくなる。何重にも紐が絡んでほどけなかったから諦めていたというのが現実かな」

「お母さんウソをついているよ。お父さんに嫉妬しなかったのは三枝さんが好きだったからなんじゃないの?」

美樹は美那子の鋭い突っ込みに少しためらってしまった。

「美那子はどうしても私が三枝さんと深い関係だと思いたいのよね?夫婦ってねそういう事だけが離婚の理由になるんじゃないのよ。お父さんは仕事優先であなたたちと一緒に遊んだことも少なかった。それは解るでしょ?」

「お母さんが三枝さんの事を好きだっていうのはお兄ちゃんも言っていたし間違いないと感じているわ。それが悪いことじゃないのよ。私だって子供じゃないから男と女の気持ちぐらいわかる。お母さんの中でお父さんに対する気持ちが徐々に離れていったという事なら、浮気を疑われたことは原因ではなく大きなきっかけだったと言いたいのよね?」