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もしかして…

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「えーとぉ──」

 一歩退く僕。

「い、一体、何の事?」

 その分だけ、笠原さんは前に踏み出して来る。

「だからー <あの件> についてです!」

「─ いや…」

「しらばっくれるつもりですか?」

「お、思い当たる事が、僕には ないんだけど?!」

 笠原さんはいつの間にか、僕の目前まで迫っていた。

「じゃあ、こうしましょう」

「へ…?」

「頑張って思い出してください。」

「な、何を?!」

「<あの件> に決まってます!」

 いつの間にか、体育館の壁まで追い詰められていたので、もう後ろには下がれない。

 僕の胸に、笠原さんが人差し指が突きつけられる。

「話してもらうまで、逃しませんから!!」

 ─ それがきっかけで、2人は付き合い開い始めたのだった。。。
作品名:もしかして… 作家名:紀之介