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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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グレイ家の兄弟 First Battle

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 外では、大勢の人が逃げまどったり、頭を抱えてしゃがみ込んだりしている。ほかの人々は、突然の事態に状況がつかめず、立ち尽くしている。フレディはその一人に尋ねた。
「いったい何があった?」
「いやな、イベントホールの方面で何者かが暴れてるらしいんだ…」
「そうか。ありがとう」
 フレディは近くに居たブライアンにそれを伝えると、ブライアンも弟たちに伝えた。

 四兄弟がレンガ造りのソルシティ・イベントホールに到着すると、そこでは研究所の映像で見たガルーと思われる怪物が、雄たけびを上げていた。
「ロア〜〜!ホモ・サピエンスドモ、オマエラヲ一人残ラズ狩ッテヤル!!」
 殺人予告をすると、ガルーは口を開けてすさまじい威力の破壊光線を発射した。幸いにもそれが直撃した人間は居なかったが、イベントホールの出入り口の真上に命中し爆発、その衝撃で出入り口のガラスが粉々になった。このテロにも似た光景に、人々はますますパニックに陥った。ブライアンとジョンは、現場に居る人々の避難誘導をした。
 その間にも、ガルーは腕を振り回し、鋭い爪を使った斬撃波を飛ばした。それは一人の太った男子児童の目の前まで来た。
「うわあ!」
「危ないっ!」
 間一髪、フレディが少年を地に伏せさせた。少年は、ゆっくりと目を開けてフレディの顔を見た。
「あぁ…、ありがとう、お兄さん」
「いや、お礼は要らないよ。それより、君もすぐに逃げろ」
 フレディはちらっと笑みを見せたが、すぐに真剣な顔になって言った。
「はいっ!」
 少年は、真っすぐに走って避難した。

 やがてグレイ四兄弟は、ガルーの前に立ちふさがった。彼は、大笑いをして言った。
「ヒャ〜ッハッハ。下等ナホモ・サピエンスメ、俺ノ邪魔ヲスルトハ命知ラズダナ」
「ケンカ仕掛けてんのはおまえだろ」
「ヒャッハ、ソノウエ言イ返シテキヤガッタ。ドウセ口ダケデ…グオッ!!?」
 拳に炎をまとったフレディの一撃がガルーの頬に炸裂し、ガルーは地に倒れた。
「ウヘ、アチ、アチィッ!!」
 ガルーは少しのたうち回ったが、すぐに立ち上がり、グレイ四兄弟に向かって鋭い爪の斬撃を飛ばした。彼らはそれをさっと避けたので、斬撃ははるか後ろの街灯に命中し、街灯が真っ二つに折れた。

 それから間もなく、フレディが両手のひらをガルーに向けると、両手から火炎放射した。その火炎は、見事にガルーの胸部に命中した。
「ドワッチ〜〜!火ィ浴ビタ!ヤケドシタ!アチイ!」
 ガルーがやかましくわめいていると、ブライアンが低めのトーンで言った。
「ほう、やけどしたのか。じゃあ冷やさないとな」
 彼が両手の親指と人さし指で銃のような形を作ると、人さし指の先端にはゴルフボールぐらいの大きさの水が出現した。グレイ家の次男は二丁拳銃で撃つような仕草をして、水の弾丸を放った。2発ともガルーの胸部に当たった。
「ウハッ、グホッ!」
 せき込むガルーに向かって、ブライアンは右手を高く上げた。
「おまえの負けは決まったな!」
 彼が強気な声で言うと、彼の右手の少し上に水でできた歯車が出現し、高速回転を始めた。
「たあーーーっ!!!」
 ブライアンはまるでフリスビーを飛ばすように、その歯車を投げるアクションをした。水の歯車は高速回転しながら、ガルーの胴体を貫いた。
「ドハアッ!コノホモ・サピエンス、強スギル…!!!」
 ガルーはそう言い残すと、倒れ込んで爆発した。