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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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グレイ家の兄弟 全ての始まり

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 ― イギリス・ソルシティの一角で ―

 珍発明で有名な科学者ドクター・フリックが、火、水、雷、土の四つの属性を持つエネルギー体「エレメンタルウエーブ」を開発した。しかし作者の管理が甘かったために、それらは研究所を突き破って暴走した。
「ほえ〜、これは大変だす。急いでエレメンタルウエーブが当たった者を見つけるだす」


 一方その頃、グレイ家の四兄弟 ― 彼らは皆、日本で言う「ニート」である ― が、兄弟みんなでビリヤード場に行こうとして、家の外に出た。
 そのときだった。赤い光線が長男フレディに、青い光線が次男ブライアンに、黄色の光線が三男ロジャーに、そして茶色の光線が四男ジョンに直撃した。
「おわっっ!!」
 4人全員が突然の事態に軽く苦しい顔をした。彼らは何が起きたのか理解できなかったが、フレディが弟たちに声をかけた。
「おまえら、大丈夫?」
 すぐ下の弟のブライアンは上半身のあちこちを触ったあと、落ち着いて答えた。
「ああ、取りあえずけがはしてないようだ」
 ロジャーが言葉を継ぐように言った。
「でも、何だったんだ、今のは?」
「まだ何か変な感じがするなぁ」

 末弟のジョンがそう言ったとき、彼の手から砂がさらさらと落ちた。
「え、え、今、僕の手から砂が!?」
「や、まさか。何も持ってないのに…」
 そう言ったロジャーの手の周りに、電気がバチバチ鳴った。
「えっ!!?今、俺の手から電気が!」
「人体から電気が流れる訳ないだろ…うおぉ!?」
 ブライアンの手の周りに、らせん型に回る水が出現した。
「…何かのトリックか、これ?」
「そんな、あり得ないっしょ」
 今度はフレディの両手のひらから、赤い火がバーナーのように現れた。
「ああっ!今、何か俺の手から火が出た!」
 それぞれの体に起こった異変を見て、兄弟たちはパニック状態になった。

 「俺、何かの拍子に放火するかも!」
「電気製品とかしばらく触れねえな」
「人に触れたら感電させそう…。うわ、考えただけで怖い」
「いろんな物を砂だらけにしちゃうかも。はあ〜あ…」