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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「美那子」 告白 三話

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世の中美魔女とか言われるセクシーな人妻が話題になっているが、スタイルだけならそう言われる自信が美樹にはあった。
だから余計に秀一郎の彼女の完璧なスタイルと若さに嫉妬を覚えるのだ。
「秀一郎は私のものよ」そんな思いが無いとは言えないのだろう。
母親とは悲しいものだ。夫や両親から束縛を受けて嫌な思いを感じているはずなのに、子供を束縛する。

秀一郎の出来の良さがますます母親としての愛情を間違った方向へと向かわせることになる。

美樹が三枝と会わなくなって数か月がたち季節は12月を迎えていた。
不思議なことにこの間、夫は自分を求めてこなかった。
以前より体に自信があるのに夫にはそのことが映らなかったのだろうか。
まさか浮気をしている?
今夜は自分から言い寄ってみようと考えた。

早く寝るようになった夫に美樹は話があると持ち出した。

「ねえ、この頃お仕事で疲れているの?」

「うん?どうしてそんなこと聞くんだい?」

「怒らないで聞いてね。前は定期的に優しくしてくれていたのに、ここずっとないから体調でも悪いのかと心配になったの」

「そういう事か。じゃあ今日は楽しもう」

「私が言わなかったらもう永久的になくなっていたという事なの?」

「そんな大げさなこと言うなよ。たまたまだろう。おれも50過ぎているんだぞ」

「急にダメになるものなの?」

「精神的なこともあるからな。仕事が忙しかったり出張が続いていただろう、そういうストレスもあったんだよ」

「そうなの。ならいいんだけど。浮気でもしているのかと思った」

彰はそう言われてドキッとした。やましいことがあったに違い。
瞬間の表情を美樹は見逃さなかった。

「そんなこと思っていたのか!お前こそ浮気していたんじゃないのか?」

「ええ?私が?主婦で家にいるのに誰とそんな機会が出来るというの」

美樹はこの時の夫の言い分に普段とは違う切り返し方だと気付き、浮気をしていたことはほぼ間違いないと確信した。
夫は自分に対して疑ったり、喧嘩腰でものを言ったりしたことはなかった。少なくとも記憶には無かった。夜の時もいつも終わるとゴメンとかありがとうとか言う人だったからだ。

「お前が変なことを言うから言ったまでだよ。もうよそうこんな話。お互いに気分が悪くなるだけだよ」

「私はあなたが浮気をしていてもだからと言って離婚だとか、慰謝料だとかは言ったりしませんよ。ただ子供たちにバレるようなことは決してなさらないでね。夫婦も長いとお互いを束縛することが取り返しのつかない誤解と結果を招くと思っているの」