「美那子」 告白 一話
あの旅行の時と同じように美樹は秀一郎の前で歩けないほど酔っぱらってしまった。
昼間にも飲んでいたからそれほどの量でもなかったのに急に回ってきた。
「母さん!そこまで飲むなよ、もう世話やけるんだから」
「秀一郎・・・」
「部屋に行って寝ろよ」
「歩けないの・・・」
「何言っているんだ!すぐそこだろう」
「お父さんいないから、ここで寝る」
「ダメだよ。みっともない」
秀一郎は母を抱き起すとお姫様抱っこをして部屋まで連れて行った。
母はあの時より軽く感じた。ダイエットをしたのだろう。それは見た目に解る。
首に両手を回している美樹の顔がすぐ近くにあった。
ベッドの上にそっと置くつもりが首に回していた手を放さなかったので前のめりになって、美樹の胸の上に自分の顔がくっついた。
「変な事・・・しないで」
「違うよ、するわけないじゃないか!手を放してくれないからこけそうになって・・・」
「言い訳して・・・ねえ?シワになるから洋服脱がせて」
「ダメだよ、そんなこと。美那子呼んでくるから待ってて」
後ろ向きになった美樹はファスナーを下ろすように頼んだ。自分が裸の上にワンピースを羽織っていたことを忘れていたのだろう。
秀一郎は手を貸さなかった。美樹はじれったくなったのか自分で手を回してファスナーを下ろした。そして裸であることに気付いた。
「秀一郎、ごめんなさい。出て行って」
母親がワンピースの下に下着をつけていなかったことが三枝と何をしてきたのかの証明のようなものに秀一郎には見えた。
翌朝顔を合わせた母親に笑顔はなかった。いつものようなニコニコとした表情は消えていた。
美那子がそれに気付く。
「お母さん、またお兄ちゃんと何かあったのでしょう?この前と同じよ。目線を合わせてない」
「昨日飲み過ぎて気持ち悪いだけ。余計な気を遣わなくていいのよ」
「顔にウソって書いてあるよ」
「そんなことより例の友達の件はどうなったの?」
「ああ、あれね。親に打ち明けて病院へ行ったの。彼とは二度と会わないという条件でね」
「そうだったの。それも可哀想だけど、男は責任を取らないといけないかしらね」
「お母さん、私が同じ立場になったらどうする?」
昼間にも飲んでいたからそれほどの量でもなかったのに急に回ってきた。
「母さん!そこまで飲むなよ、もう世話やけるんだから」
「秀一郎・・・」
「部屋に行って寝ろよ」
「歩けないの・・・」
「何言っているんだ!すぐそこだろう」
「お父さんいないから、ここで寝る」
「ダメだよ。みっともない」
秀一郎は母を抱き起すとお姫様抱っこをして部屋まで連れて行った。
母はあの時より軽く感じた。ダイエットをしたのだろう。それは見た目に解る。
首に両手を回している美樹の顔がすぐ近くにあった。
ベッドの上にそっと置くつもりが首に回していた手を放さなかったので前のめりになって、美樹の胸の上に自分の顔がくっついた。
「変な事・・・しないで」
「違うよ、するわけないじゃないか!手を放してくれないからこけそうになって・・・」
「言い訳して・・・ねえ?シワになるから洋服脱がせて」
「ダメだよ、そんなこと。美那子呼んでくるから待ってて」
後ろ向きになった美樹はファスナーを下ろすように頼んだ。自分が裸の上にワンピースを羽織っていたことを忘れていたのだろう。
秀一郎は手を貸さなかった。美樹はじれったくなったのか自分で手を回してファスナーを下ろした。そして裸であることに気付いた。
「秀一郎、ごめんなさい。出て行って」
母親がワンピースの下に下着をつけていなかったことが三枝と何をしてきたのかの証明のようなものに秀一郎には見えた。
翌朝顔を合わせた母親に笑顔はなかった。いつものようなニコニコとした表情は消えていた。
美那子がそれに気付く。
「お母さん、またお兄ちゃんと何かあったのでしょう?この前と同じよ。目線を合わせてない」
「昨日飲み過ぎて気持ち悪いだけ。余計な気を遣わなくていいのよ」
「顔にウソって書いてあるよ」
「そんなことより例の友達の件はどうなったの?」
「ああ、あれね。親に打ち明けて病院へ行ったの。彼とは二度と会わないという条件でね」
「そうだったの。それも可哀想だけど、男は責任を取らないといけないかしらね」
「お母さん、私が同じ立場になったらどうする?」
作品名:「美那子」 告白 一話 作家名:てっしゅう