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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「美那子」 発覚 三話

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美樹が帰ってきたのは22時を回っていた。
居間で秀一郎が座っているのを見てバツの悪そうな顔をした。作り笑顔で話しかける。

「遅くなっちゃった。ねえ、美幸さんとはどうだったの?」

「お帰り。美幸さんとは昼間会ってどこかへ行こうと思ったけど、暑かったから家に行ってお母さんと話もしてご飯も頂いた。それだけだよ」

「まあ、それだけなんて変な言い方。お付き合いするのよね?」

「わからないよ。美那子にも聞かれたけど、正直・・・なんか自信ない」

「ええ?自信?なんでそんなものがいるの?」

「母さんには判らないよ。それより聞きたいことがあるんだけどいいかな?」

「なに?」

「美那子がバイトしているコンビニへ帰る前に立ち寄ったんだ」

「そうなの?美那子はいなかったでしょ?」

「うん、母さんもいなかった」

「私?」

「駐車場に車が停めてあったから中にいると思って入ったんだよ」

「そう、そうだったの」

「それだけかよ」

「それだけかよって、怖い言い方をするのね」

「どこへ行っていたんだよ。車だけおいて」

「一台で行った方が良かったら置かせてもらったの」

「なあ母さん。三枝さんと会っていたんだろう?違うって言っても信じないからな。母さんの人生だから俺がどうこう言いたくないけど、バレるようなことするなよ」

「秀一郎・・・」

「秀一郎じゃないよ。美那子には言わないから安心して。それから美幸とは男と女の関係になった。向こうから強引にされたって感じだったけど、女が意外に積極的だっていう事、美那子や母さんを見てもそして美幸の態度でもよく解った。自分はもう少し強くならないといけないって思う」

「よく話してくれたわね。お母さん何も言い訳しないけど、あなたが思っているようなお付き合いはしていないのよ。美幸さんの事はちょっとびっくりだけど、大切にしてあげてね。きっと秀一郎のこと好きになっていると思うわ」

「父さん以外の男性と一対一で会っているという時点でアウトだよ。知り合いの誰かに見られたりしたらそれこそ父さんの耳に入るぞ。やめるのが辛かったらもっと慎重にしないと。息子が言うセリフじゃないけど、母さんの気持ちも少しは解るようになった。絶対に美那子に気付かれないようにしてくれよな」

「もう・・・会わない。あなたや美那子にこれ以上心配を掛けられないから。でも、深い関係じゃないの、それだけは信じて」

「深いか浅いかの問題じゃないよ。好きか嫌いかの問題だって思う」

秀一郎が言った言葉はその通りだと美樹は感じた。