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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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金曜日のアウトドア 中編その2

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 「こんなときに何で出ないんだよ、兄さんたち…」
 トミーがそう愚痴ると、ヨハンが言った。
「もう1回TELってみるのは?」
 2人は、もう一度電話をしてみた。しかし、相変わらず応答がない。トミーは困ったような顔で携帯をしまうと、
「もうしょうがないから、手探りで探そう」
 と言った。

 彼らが移動を続けていると、小川を見つけた。それに沿って歩いていくと、水がおかしな色になっている部分を見た。不思議に思ったトミーが少し離れたところを見ると…上半身だけのクリストファーが浮いていたのだ…。ヨハンとトミーは叫んだ。
「クリストファー〜〜!」
 トミーはへたり込んだ。
「こんな、こんな無残に…」

 それでも、2人は力を振り絞って移動した。数分後、ヨハンの足に何かがぶつかった。しゃがんでそれを見ると、オスカーの着ていたシャツと左腕だったのだ。しかも、彼は手首から先がなかった。ヨハンはトミーよりも大きな叫び声を上げ、号泣した。
「オスカー!!!!ひどすぎる…誰がこんなことを…!!」
 トミーは、ヨハンの体を支えながら走った。そこから200メートルほど離れたところに、左腕と頭部のないオスカーの遺体が見つかった。彼の体は、クリストファーとは比較にならないほど血だらけだった。ヨハンは、もはや放心状態に陥った。
「俺たちが…俺たちが……何をしたってんだ………」

 トミーはヨハンを背負い、早足で真っすぐ移動した。数分後、大量の血糊が付いた1本の木のそばで、胴体と頭部が離れているカールの遺体を発見した。
「道理でカールが電話に出ないはずだよ…」
 トミーが震えながら言うと、ヨハンが尋ねた。
「俺たち、どうなるんだ…」
「分からないよ…」
 そう言いながら、何気なく向こうを見ると、狼マスクをかぶった1人の人間の姿が見えた。
「あの人、もしかして…」
 何を感じたのか、トミーはその人の視界に入らないよう、ヨハンとともにその場を立ち去った。