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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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金曜日のアウトドア はじまり編

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 やがて一行は、目的地に到着した。森の前には、枯れかけた芝生が広がっていた。オスカー、カール、クリストファー、ヨシュアの4人はタープを立てる作業を始め、ヨハンとトミーはテーブルやチェアーを広げた。

 作業がひと段落するや、ヨシュアがアメリカの有名おもちゃメーカーのカードゲームを出してきた。
「よおみんな、ゲームしな〜い?」
 もちろん、満場一致で賛成。ゲームを始める前に、長男のオスカーが敗者への罰ゲームを決めた。それは、スクワット10回というものだった。

 1回戦の敗者は、ヨシュアだった。彼は、どういうわけか笑いながらスクワットをした。ほかのメンバーは総ウケ。2回戦の罰ゲームは、次の回で日本の某戦場カメラマン口調になるというもので、これの被害者はトミーだった。これも兄弟たちに大受けした。そして3回戦の罰ゲームは、みんなの前でうそを言うという何ともシンプルなものだった。これの被害者は、クリストファーだった。
「僕…オスカーの財布からユーロ冊何枚か抜いたんだ」
「ええぇっ!?…マジかよ」
「いや、うそだってば」
 このやりとりに、ほかの兄弟たちはゲラゲラ笑った。

 クリストファー、ヨハン、トミーが仕切った食事のあと、酔った勢いでオスカーが歌い出した。弟たちは、エアギターやエアドラムを始めた。それはそれは楽しいアウトドアレジャーだった。

 午後2時頃、トミーがバドミントンセットを数個持ってきた。
「疲れてなかったら、指名ラリーしようよ!」
 指名ラリーというのは、ほかの兄弟の名前を呼んで羽根を飛ばし、それを繰り返すというゲームである。トミーの呼びかけに、全員が答えた。
「いいねえ!!」

 こうして、指名ラリーが始まった。全員が偏りなく指名され、そのたびに面白い掛け声を出してラリーを続けた。ここまでは普通だった。