オヤジ達の白球 26話~30話
「あの野郎。
準備運動もしないでいきなりピッチングをはじめるつもりかよ!。
ますますもって呆れ果てた野郎だ・・・」
「いきなり投げ始めると駄目か、やっぱり」
「全てのスポーツにおいて、ウォーミングアップと言って
運動の前に準備運動をする。
ウォーミングは、温めるという意味がある。
運動する前に、体を温める必要がある。
運動していないとき筋肉内を流れている血液の量は、およそ15%。
血液はおもに、内臓や脳を流れているからだ。
身体を温めていくことで、筋肉へ流れていく血液の量が増えていく。
スポーツをはじめる前にかならずやること、それが身体を
動かすための準備運動だ」」
「詳しいなぁ、お前」
「当たり前だ。
チームで投げていたころ、ちゃんと協会の指導者講習を受けたからな」
「指導者講習・・・そんなものがあるのか?、ソフトボールには」
「これだから素人は困る。
ソフトボールだけじゃねぇ。すべてのスポーツに指導者講習は有る。
無知な人間は準備運動もろくにしないで、いきなり動き始める。
肩も温めずにボールを投げる。
そんな練習を繰り返していたら、そのうちどこかを故障することになる」
「我流や自己流のスポーツは、あまりにも危険すぎるということか?」
「そういうことさ。
なかなかに理解が早いな、おまえは。単細胞の坂上と違って」
(29)へつづく
作品名:オヤジ達の白球 26話~30話 作家名:落合順平