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のしろ雅子
のしろ雅子
novelistID. 65457
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33話 あとは野となれ山となれ -心は神に手は人にー

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33話 心は神に手は人に

幼い頃、買い物に町に出ると師走の風が吹く中、救世軍の社会鍋が街角に立っていた。
 母に言われ母から小銭を貰って、社会鍋に必ず小銭を入れに走った。大仕事を終えたような気持ちで母のところに走って戻ってきた。
 人と人が助け合う…と母から教えられて、幼い心にも社会鍋に走る時自分もそれの一役を担ってると言う自負があったように思う。
 それからも社会鍋を見ると黙って行きすぎる事は出来なかった。
 これって母が私に教えた初めての社会への参加だったのかも知れない。
 やがて、年々見る事も無くなった風景となった…。
 社会的な責任を終えたのかと思っていたが、
最近、何かのコラム欄に、救世軍のバザーに行った事を書かれていた。
もう、とうに忘れた景色だったけど…。
 そうか…救世軍まだ頑張っているんだな…。
「心は神に手は人に…」日曜学校でよく聞いたな。