オヤジ達の白球 11~15話
「そういえば熊。おまえさんのチームはどうなった?。
出場停止で、事実上の空中分解と聞いたが?」
「だからよ。俺のせいじゃねぇ。
出場停止を決めた町の連中が悪いんだ。おかげでウチのチームは冬眠中だ」
「いつ目覚めるんだ。その冬眠から?」
「そいつは町が決めることだ。俺たちに眠りから覚める権限はねぇ」
「町のソフト部会はおまえさんたちのチームを、永久追放と決めたそうだ」
「なんだと。誰がいつ、そんな無茶なことを決めたんだ!」
「先日のことだ。町の体協の連中が飲みに来た。
そのとき。熊のチームは永久追放処分にするという話が出た。
素人の審判を脅迫するようでは、親睦ソフトボールの趣旨におおいに反する。
そのほかにもおまえさんところは、いろいろと問題のあった
チームらしいからな。
審判の買収事件が、最後の決め手になったらしい。
当然だ。誰が考えてもそう決断をくだすだろう。
というわけでお前さんは、ソフトボールで活躍する場を永久に
失ったことになる」
「えっ・・・俺の唯一の楽しみを奪い取るのか、体協の奴らは!」
「仕方ねぇだろう、北海の熊。身から出た錆だ。
おまえさんところのチームは優秀な選手が揃っているが、総じてがらが悪い。
おととしだって審判の判定に、さんざんクレームをつけた。
問題児ばかりが集まっているチームだ。
去年の審判恐喝で、ついに体協のおえらがたの堪忍袋の緒が切れた。
どうする熊。このままじゃホントにお前さんは、ソフトボールから、
永久に追放されたままになるぜ」
(13)へつづく
作品名:オヤジ達の白球 11~15話 作家名:落合順平