オヤジ達の白球 11~15話
オヤジ達の白球(12)瓢箪から駒
「あのやろう。
謎の女の気をひくため、こんどはソフトボールのピッチャーになるってか。
動機が不純すぎるなぁ。
そんなことでホントに投手になれると思っているのか、あいつは?」
北海の熊が呆れる。グビリと苦そうに酒を呑み込む。
「そういうな」岡崎が熱燗徳利を持ち上げる。
「実のところ、俺だって半信半疑だ。
あいつの場合。長く続いた趣味がひとつもねぇ。
確かに熱しやすくて冷めやすい男だ。
だがよ。今回にかぎりあそこまで、ぜったいにやりとげると
強調するのも珍しい。
ひょっとすると、瓢箪から駒が出るかもしれねぇ」
作品名:オヤジ達の白球 11~15話 作家名:落合順平