トラブルシューター夏凛(♂)1 堕天使の肖像
「だからと言うて、この神社に逃げ込む理由はかるのかえ?」
「そ、それは商店街で暴れると商店街を追い出されて営業が……」
「ふむ、時雨の言うことはわかった。じゃがな、わらわの怒りを買うことになるとは考えなかったのかえ?」
「…………」
言葉が詰まり無言になった時雨を見た後、命は二人の鬼神を見てこう言った
「仕置きをしてやれ」
二人の鬼神は時雨の腕を掴み羽交い絞めにした。そして、命はもう用は済んだと帰ろうとした。
「ま、待ってよ命!!」
「わらわはもう寝る」
命は時雨の顔を見ずにさっさと帰ってしまった。
残された時雨は一人の鬼神に抱きかかえられ、もう一人の鬼神は鞘を握り締め構えた。時雨のお尻は鞘を構えた鬼神に向けられていた。まさか……!?
この日の夜中、静かな境内から男の悲痛な叫び声が聴こえたのは言うまでも無い。その声は商店街まで響き、何事かと家から飛び出して来た近隣住民は二人の鬼神を見て腰を抜かし大騒ぎをしたという。
作品名:トラブルシューター夏凛(♂)1 堕天使の肖像 作家名:秋月あきら(秋月瑛)